知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

2022年版USPTO 米国特許の調べ方 その10

【定期的な自動検索と、検索結果のURL】

 

 特許検索をする場合、同じ式で定期的に調べたり

することがあります。(検索結果をお友達に送って

あげたりしたい場合もあります。)

 

 そんなときに、商用データベースでは以前の履歴を

使ったりすれば簡単に調べることができるのですが、

Patent Public Searchでは、検索履歴が消えてしまい

ますので、毎回毎回検索式を打ち込む必要があります。

(どこかに検索式を保存しておいて、コピペしても

よいですが。)

 

 「別に、検索した後のURLをコピペしとけばいー

じゃん。」と思われるかもしれませんが、やって

もらうとわかりますが、残念ながら下のように、

検索した後のURLは最初と変わらず、USPTOさんに、

「そうは問屋は卸さねーぜよ。」と言われてしまい

ます。

 

 

 

 そんな場合の良い方法がありますので、調べて

みましょう。

 

 これは、URLを保存しておいてこれをWEBブラウザーに

リンクする方法です。

 

 たとえば、特許5046537を定期的に調べたいという

場合があるとします。(こんな場合はありませんが、

まずは例として簡単な記載から始めたいと思います。)

 

 その場合、PCの中のメモ帳などで「USPTOのPatent

Public Searchにつなげてよね」ということで、

https://ppubs.uspto.gov/pubwebapp/external.html?

と書き入れます。(色が変わってしまっていますが、

このままではリンクは張られていません。)

 

 次にその後ろに「特許番号5046537を調べてよね」と

いうことで、

q=5046537.pn.

を追加し、

https://ppubs.uspto.gov/pubwebapp/external.html?q=5046537.pn.

というURLを作ります。(こちらはリンクが張られています。

クリックした後、リンクが表示されるまで少々時間がかかり

ますのでしばらくお待ちください。)

 

 その後、このURLをWEBブラウザーにコピペすると、

次のように、検索が行われます。(上のURLは、説明の

ためにすぐにリンクに飛べるようにしてあり、以下の

ようになるのがわかります。)

 

 

 URLを貼り付けただけですが、検索式は、

5046537.pn.となっているのがわかります。

(他のPatent Public Searchがすでに開いていると、

「すでに開いているから、検索してやんないもん

ねー。」と、シカト??されてしまいますので

気を付けましょう。

 

 ということで、登録番号だけで定期的に検索する

ことはないでしょうから、特許分類やキーワードの

検索式で調べる方法を見てみましょう。

 

 例として、以前に検索式を作成した、

(1)CPCがG11C11の前方一致であって、

(2)「skyrmion」と「spintronics」の両方が明細書に

入っている出願でURLを作ってみましょう。

 

(0) 最初の「USPTOのPatent Public Searchに

つなげてよね」というのは、前と同じで、

https://ppubs.uspto.gov/pubwebapp/external.html?

となります。

 

(1)のCPCは

q=G11C11*.cpc.

となりますね。

 

(2)の「skyrmion」と「spintronics」については、

(spintronics%20AND%20skyrmion).spec.

となり、すべてを組み合わせると、以下となります。

 

https://ppubs.uspto.gov/pubwebapp/external.html?q=G11C11*.cpc.%20AND%20(spintronics%20AND%20skyrmion).spec.

 

(表示の関係で2行になってしまっていますが、

1行です。)

 

 これをWEBブラウザーのURLのところにコピペ

すると、以下となり、正確に検索されていることが

わかります。

 

 

 ここで、URLを記載するにはスペースを用いる

ことができませんので、先ほどのURLを作る際の

%20というのは、ASCIIコードのURLを記載する際の

スペースを表わしています。

 

 というように、検索式を作る要領でURLを記載

しておき、このURLをコピペするだけで、

Patent Public Searchを開かなくても定期的に検索を

おこなうことができます。

 

 今回は、説明のために手動でコピペしましたが、

定期的な設定で、RPA(Robot Process Automation)

などで自動で定期的に出願人の出願傾向を調べる

なども可能ですよ。

 (J-PlatPatでは、「ロボット検索すんなよなー。」

などと怒られてしまいますが、USPTOでは可能なん

ですね。)

 

 また、お友達に文献などを送ったり、検索結果を

送ったりする場合、検索結果をダウンロードして

送らなくても、URLを貼り付けて送ることができ

ますので、非常に便利ですよ。

 

 尚、文献を複数送る場合には、

https://ppubs.uspto.gov/pubwebapp/external.html?q=(5046537|20190351873).pn.

などと「|」で区切ってあげましょう。

 

 ということで、次回に続く。