知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

2022年版USPTO 米国特許の調べ方 その6

【Quick Searchその4】 検索式の作り方 その1

 

 前回は、検索フィールドの指定の仕方を見ましたので、

今回は、検索式を作ってみましょう。

 

 ところで、USPTOのデータベースには、出願公開制度

(2001年3月)による公開公報を調べるUS-PGPUB、

1970年まで遡ってフルテキストで調べられ、それ以前

(1790年まで)は特許分類と登録番号で特許を調べる

USPAT、1970年以前のOCR特許を調べるUSOCRが

あり、検索データベースはこれらすべてが以下のように

デフォルトになっていますので、このままそっとして

おいてあげましょう。

 

 

 その上の「Databases」というところをクリックすると、

データベース部分を表示させなくすることができますよ。

 

 ということで、まずは、

(1)IPCがH01Lの前方一致で、

(2)「skyrmion」というキーワードが発明の名称に入っていて、

(3)出願が2010年から2022年まで

の出願を調べてみましょう。

 

 そうすると、

(1) H01L*.ipc.

(2) skyrmion.ti.

(3) @ay>=2010<=2022

 

 すなわち

 H01L*.ipc. AND skyrmion.ti. AND @ay>=2010<=2022

となるでしょう。

 

  出願年が2018年を指定する場合には、2018.ay.

となりますが、期間で区切るときには、「@」を入れて、

「>=」 とか 「<=」で指定します。

 

 尚、2018年を指定するときに、「@ay=2018」でも構い

ません。(検索後の表示は、「@ay="2018"」や

「@ay>="2010"<=2022」になっています。

 

 また論理演算子「AND」は小文字で入れても大文字に

自動で変換してくれますよ。

 

 それでは次に、

(1)CPCがG11C11の前方一致であって、

(2)「skyrmion」と「spintronics」の両方が明細書に入っている

出願を調べてみましょう。

 

 まずは、CPCの前方一致は先ほど同様G11C11*.cpc.

となりますね。

 

 キーワードのほうは、skyrmion.specとspintronics.spec.と

個別に指定しても良いですが、以下のようにも記載できますよ。

 

(spintronics AND skyrmion).spec.

 

 ということなので、検索式は以下のようになるでしょう。

 

G11C11*.cpc. AND (spintronics AND skyrmion).spec.

 

  尚、話は違いますが、今回何の気なしに??、CPCと

指定しましたが、CPCにはCPCIというのと、CPCAという

のがあるんです。

 

 「おいおい待てよ、そもそもCPCから説明しろよ。」

という声も聞こえてきましたので、まずはそちらから

調べてみましょう。

 

 まずはIPCですが、こちらはInternational Patent

Classification(国際特許分類)なわけでして。

 

 CPCはIPCを更に細かく区切ったCooperative

Patent Classification(共同(共通)特許分類)ですね。

 

 さらに細かいことは自分で調べてもらうこととして、

CPCには現在では米、EU、中、韓などかなりの国が

参加していますが、まだ日本は採用に至っていません。

 

 それはさておき、CPCIというのは、発明情報

(Inventionですね)に付与されるCPCで、CPCAの

ほうは実施例記載などで付与されるAdditional

(付加的)な情報となります。

(さらに細かく言うと、CPCAについては、

H01L2027/11805などといったようにH01Lの後が

通常の2桁でなくて4桁になる2000シリーズという

ものもありますよ。)

 

 したがって、CPCとして検索した場合、CPCIも

CPCAも含まれることになりますので、発明情報

だけに絞ってノイズを少なくしたい場合には、

G11C11*.cpci.などと致しましょう。

 

 CPC全体で検索した場合には、以下のように

なりますよ。

 

 

 今日は長くなってしまいましたので、次回へ続く。