知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

中国の2015年の特許出願数が110万件だそうですが、どんな分野の出願が多いんですか?

 ということで、以下の、「生かせ知財

ビジネス」というコラムで、中国の出願の

質の話が書かれていますね。

 

【生かせ!知財ビジネス】中国、大量特許出願から質向上と国際化へ (1/2ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)

 

 中国の出願情報等は、SIPO「中国国家

知財産権局」のHPで、毎月バージョン

アップされているわけでして。

 

国家知识产权局--统计信息

 

 ちなみに、日本のほうは、以下の

特許庁のページで、各月の統計速報を、

見ることができますよ。

 

特許出願等統計速報 | 経済産業省 特許庁

 

 それでは、、中国で、どの分野での

出願が多いのか?というのは、以下の

ページでおおまかに見ることができ

るんです。

 

http://www.sipo.gov.cn/tjxx/tjyb/2015/201601/P020160114531916715830.pdf

 

 さらには、日本の分野別の特許

出願動向も、以下の行政年次報告書

で、調べることができるんです。

(日本のほうが細かく分類されて

います)

 

特許行政年次報告書2015年版~130年の産業発展を支えてきた産業財産権制度~ | 経済産業省 特許庁

 

 ということで、2014年の1月にも

IPC技術分類での比較をしてみま

したが、2年たった現在はどんな状況

か?というのをちょっと比較してみま

しょう。

 

oukajinsugawa.hatenadiary.jp

 

 今回の結果は以下のようになりました。

(日本は最新データ2013年度、中国は

2015年度)

 

f:id:oukajinsugawa:20160215130329j:plain

 

 2年前と比較してみると、中国は電気

関係が3ポイント減って、生活必需品

関係が3ポイント増えており、さらに細

かい分析がされていませんが、生活に

密着する小さな発明が多くなっているの

では?と想像しています。

 

 日本のほうも見てみると、やはり生活

必需品が2ポイントの増加、電気分野が

やはり2ポイント減少していますが、

日本のほうはさらに細かい分類で分析

されていますので見てみると、医療、

医薬関係は生活必需品に分類されて

いるのですが、これが増加しています。

 

 ということで、タイトルについての

回答としては、中国は、「生かせ知財

ビジネス」というコラムにあるように、

中国ではまだまだ小発明の出願が多いの

ですが(と言っても、出願数は脅威

ですが)、日本は重要な出願に絞り

込むとともに、今回は海外出願の伸びは

記載しませんが、海外出願比率を増やし

ているという傾向が見えるのではないか

と思います。