パテントマップ特許情報分析医療用ロボット編 6 まずは概要を調べてみましょう。
それでは、医療用ロボットを分析を
していくわけですが、現在の市場シェア
や将来の市場予測はどうなっているん
でしょうかね?
まずは、これをちょっと調べてみましょう。
以下のGlobal Informationという調査
資料によると、詳細はわかりませんが、
手術用ロボットの市場は、2014年の32億
米ドル(3500億円規模)から、2021年には
200億米ドル(2兆円~2.5兆円規模)に
なるそうで。
市場調査レポート: 世界の手術用ロボット市場:市場シェア・戦略・予測 2015-2021年
これを、「日本企業の国際競争ポジションに
関する情報収集平成27年3月」(NEDO)で
見てみると、シェアは米国系が100%(ダビンチの
独壇場!!)で、2013年の実績が601億円と
なっています。
(ちょっと上の数字と違いますが、まあ
固いことは言いっこなしということで)
それでは、まずは、日本とUSでの出願
状況を見てみましょう。
(日本での出願状況は、第1回で取り上げて
いますが、わかりやすいように再度添付して
います。)
尚、検索はA61「医学等」と、B25J「マニプ
レータ」の論理積で広く検索をかけています。
・ 日本
・ US
日本はうなぎ登りですが、USは2008年の
リーマンショックの影響か2009年、2010年に
落ち込んでいるようです。
それにしても、手術支援ロボットシステム
自体では、ダヴィンチにやられっぱなしですが、
日本のほうが出願数が多いとは知りません
でした。
出願人で見てみると以下のようになりますよ。
・ 日本
・ US
さんが一番ですが、システムとしてのインテュイ
ティブサージカルさんもさすがに多いですね。
(海外にもこれだけ出しているということは、
出願料や、登録料、維持費がべらぼうな額に
なっているのでは?)
日本では、トヨタさんとか、ホンダさんとかも
ありますが、これは後でどんな出願なのか
見てみることに致しましょう。
USに目を転じると、やはりインテュイティブ
サージカル(IS)さんとSRIさんが大半を占めて
いるようで、このシリーズの第1回から第5回で
調べたように、手術支援ロボのシステムとしての
基本特許や周辺特許はISさんとSRIさんに抑え
られてしまっていますので、日本の後発組が
なかなかこのロボシステムとしての市場に参入
できていない要因となっているでしょう。
今まで見てきたように、基本特許は2014年から
2020年にかけて切れて行くことになりますので、
コンスーマー製品のように技術のコモディティー
化(誰でも部品を買ってくれば、製造できるように
なる現象)が起きるようになるかというと、大量
生産品ではない産業用、医療承認、ノウハウと
いった特許だけではない要因がありますので、
基本特許が切れたからと言って、すぐには日本
メーカーが参入するというのには高い障壁が
あるのではないか?と思います。
(あくまで私の考えです)
まあ、そうはいっても、次回からは他の企業は
どんな研究をおこなっているんだ?というのを見て
行くことに致しましょう。
それでは。