知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

大石産業さんの、ゆりかーご

 なんか、今日は、赤ちゃんのゆりかごの

話か?というと、いざ知らず。

 

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 商標登録は、5236773号、指定商品は、

「プラスチック製の包装用容器,プラス

チック製きょう木,プラスチック製包装用葉,

プラスチック製栓,プラスチック製ふた」と

なっています。

 

 商願2015-082882で、「パルプモウルド製

青果物収納トレー」として、以下の出願も

あります。

 

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 これを出願しているのは、大石産業という

ところで、意匠も以下のようなものがあります。

 

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 ということで、この大石産業さんは、

商号が「大石産業株式会社」、本社は

福岡、設立が昭和22年、資本金

466,400,000円、売り上げ17,945百万円、

従業員352名、事業内容は産業用包装

資材の製造販売、となっています。

 

http://www.osk.co.jp/

 

 大石産業さんは、卵とかの包装資材を

製造しているわけですが、それでは、

「ゆりかーご」って何だ?というと、

いちごを傷つけずに輸送できる包装資材

となっています。

 

http://www.osk.co.jp/product/release.html

 

 いちごって、自重でも下のほうが黒くなり

そうで、非常にデリケートなわけですが、

従来のパックでは振動でイチゴがこすれて

傷んでしまうところを、この製品は、やわ

らかいフィルムで1粒ずつ包んで収納する

ことで宙吊り構造として、揺れても容器と

接触せずこすれることがないようにしたん

です。

 

 従来のパックと比較するために、16時間

振動を与えると、従来のパックでは、イチゴの

表面に黒ずんだ痕ができてしまったのですが、

「ゆりかーご」ではこのような傷がつかなくて、

海外輸出に利用されているそうです。

(と、テレビで言っていました)

 

 ということで、大石産業さんの登録特許を

2000年からの登録で調べると、以下のように

なっています。

 

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 大石産業さん、最近になって、かなり

知財活動に力を入れているようですね。

 

 この中で、今年の2月17日に登録

された一番新しいものを見てみると、

以下のようになっています。

 

【課題】 

容器に強い衝撃が加わった場合であっても、

苺等の表面を傷付けることなく安全に収納

することができる果実等の物品の収納容器を

提供すること。

 

【解決手段】 

上面開口有底容器の上面開口部に柔軟な

収納凹部が形成された合成樹脂フィルムを

張設し、上記凹部に苺を宙吊り収納する果実

等の物品の収納容器において、上記各収納

凹部の上記底部には切込線を各々貫設し、

上記各々の収納凹部に嵌合させた苺の

各下端部を上記各切込線を貫通して上記

各収納凹部の下側に露出させ、上記露出

した上記各苺の下端と上記有底容器の

底板との間に空間を介在させた状態で、

上記各苺を上記各収納凹部にて縦方向の

宙吊り状態で支持し、かつ上記各収納凹部に

収納された上記各苺の上端部を弾性シートで

被覆し、上記弾性シートと上記上面開口

有底容器とを接合部材にて一体に接合して

果実等の物品の収納容器を形成する。

 

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 ということで、イチゴ農園で摘みたてを

食べるように、店頭でもおいしく食べられ

るといいですね。