知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

特許情報に見る温暖化防止策 2

 自然災害対策編その6です。

 

・ 特表2012-514450「対流圏の冷却方法」

【課題】 本発明は無機の塩化物及び

臭化物化合物の群からの少なくとも1つの

物質で対流圏を富化することにより対流圏の

自己開始冷却方法に関する。

 

【解決手段】 この目的に用いる物質は次の

諸特性:ガス状であるか、500℃以下で気化性

であるか、吸湿性であるか、加水分解可能で

あるかのうちの少なくとも1つを特徴としている。

この目的に用いた物質の形成は、本発明の

方法において次の諸工程:塩水電解を用いて

該物質を形成する、燃焼プロセスの外部で

該物質を形成する、自由対流圏で該物質を

形成するのうちの少なくとも1つを特徴として

いる。

 

f:id:oukajinsugawa:20150915081742j:plain

 

 この出願はドイツからのPCT出願で、

日本で2013年に登録されており、海外

でも登録されています。

 

 実施が可能なんでしょうかね?

 

・ 特表2011-529332「大気中での電気的過程による気象調節のための装置および関連方法」

【要約】

気象調節のための装置を提供する。

装置は、エミッタ電極(21)と、エミッタ

電極(21)に電気的に結合された、

エミッタ電極(21)に電荷を与える手段と、

エミッタ電極(21)を所定の高さに支持

するための絶縁支持体と、装置を接地

する手段とを備える。エミッタ電極(21)は、

マルターフィルムを備える。別の態様に

よれば、装置は、エミッタ電極(21)を

運ぶ軽航空機と、エミッタ電極(21)に

電気的に結合されたエミッタ電極(21)に

電荷を与える手段と、装置を接地する

手段とを備える。さらに別の態様によれば、

ターゲット領域内で降水量を増加させる

方法を提供する。この方法は、エミッタ

電極(21)を設けるステップと、ターゲット

領域内および/またはターゲット領域

付近の気象状態を分析するステップと、

気象分析に応答してエミッタ電極(21)に

電荷を与え、エミッタ電極(21)にエミッタ

電極の付近をイオン化させるステップとを

含む。

 

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、それ自体の電気双極子

モーメントを有する水粒子、エーロゾル、

分子クラスタ、および水分子など、大気

空気の粒子および粒子間にかかる

電気力の強化による、この文脈では

気象調節として知られる大気条件の

調節のための方法およびデバイスに

関する。

 

f:id:oukajinsugawa:20150915081814j:plain

 

 この発明はスイスからのPCT出願ですが、

日本では新規性や進歩性欠如などでで、

拒絶査定となっています。

(海外では登録されている国があります)

 

・ 特開2010-249384「ヒートパイプを用いた氷河の融解防止装置」

【課題】氷河の地盤を冷却することにより

氷河の融解を防止あるいは抑制する

装置を提供すること。

 

【解決手段】ヒートパイプ2の一方の端部を

地盤4に埋設し、他方の端部を大気中に

露出することにより、地盤4の熱を大気中に

放熱して冷却するヒートパイプ2を用いた

氷河3の融解防止装置1において、ヒート

パイプ2の一方の端部を被う被覆部材5を

備え、被覆部材5の水平断面には、氷河3の

流れる方向を変更させる傾斜面5b、

あるいは円弧状の傾斜面5aが形成されて

いる。したがって、氷河3が被覆部材5の

周囲を流れる場合に、傾斜面5aによって

氷河3の流れを分散させることができ、

氷河3の流れによって被覆部材5に生じる

圧力を分散させることができる。そのため、

ヒートパイプ2の倒壊が防止もしくは抑制され、

氷河3が流れる地盤4を安定して冷却する

ことができる。

 

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

この発明は、ヒートパイプを用いて氷河の

融解を防止するように構成された装置に

関するものである。

【背景技術】

【0002】

氷河から溶け出して河川に流れ込む水は、

その河川の流域に住む住民にとって貴重な

水源である。そのため、地球温暖化によって

氷河が溶け出してその規模が縮小することは、

水源を確保することができなくなるため

好ましくない。しかしながら、近年の地球

規模の温暖化の影響により、氷河の縮小が

激しく、またこれに付随して、海面上昇の

問題も生じている。そのため、氷河の融解を

防止することが重要になる。これに関連

する技術として、例えば特許文献1に記載

されている発明では、スキー場のゲレンデに

ヒートパイプの蒸発部を埋設し、凝縮部を

大気中に露出させることにより、地中の熱を

大気中に放熱してゲレンデを冷却して降雪を

融解させずに積雪化できるように構成して

いる。

 

f:id:oukajinsugawa:20150915081910j:plain

 

 この発明は、出願後拒絶理由の通知は

されず、一発登録となっている特許5192435

となります。

 

・ 特表2011-516074「局地的な大気改変方法および装置」

【課題】 分野:本発明は、環境面にも対応可能で

ある局地的な大気改変方法および装置に関し、

特に、対象領域で降水を起こし、霧および/

または雲を消散させ、大気汚染を解消する

方法および装置に関する。

【解決手段】 本質:本方法では、対流および/

または空間電荷を形成するために大気中に

イオン流発生させる空気イオン化装置を使用

する。イオン流の特徴を制御するため、可変

傾斜のワーキングセルを備えた1つまたは

複数空気イオン化装置を使用することを

提案する。効果:対象領域での気象条件の

改変に、電極の多様なレイアウト(傾斜角度)が

可能な空気イオン化装置を幅広い用途に利用

できる。

 

f:id:oukajinsugawa:20150915081943j:plain

f:id:oukajinsugawa:20150915081959j:plain

f:id:oukajinsugawa:20150915082012j:plain

 

 この出願はロシアからのPCT出願で、日本

のみならず、US、ロシア、EP、中国で登録

されていますよ。