知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

知財戦略中級編  無形財産?

 

f:id:oukajinsugawa:20140614190619j:plain

特許庁から、25年度実施の特許出願技術動向調査

等報告が出ました。

 

特許出願技術動向調査等報告 | 経済産業省 特許庁

 

3Dプリンターやロボット、自動運転自動車など

結構話題になっている技術が取り上げられています。

 

 そのうちスピントロニクスについて書こうかなと

私も思っていたのですが、見ると、国家プロジェクト

でも技術開発がおこなわれているようです。

 

 下のほうにあるマクロ調査では、毎年同じですが、

その分野のIPCが記載されています。

 

 実際に仕事で分析する場合には、これよりも細かく

分析しますが、参考にすれば、それでもかなり役に

立つでしょう。

 

 アップされているのは概要版ですが、この前も

書いたように、詳細版は特許庁地下図書館か

国会図書館に行けば見ることができます。

 

(電話で問い合わせたら、まだ刷り上がって

いないとのことでしたが)

 

 弁理士試験短答式の合格発表も昨日ありましたね。

 

 合格された方、おめでとうございます。

 

 論文試験に向けて大変でしょうが、頑張ってください。

 

 ということで、昨日の続きに行きましょう。

 

 次は、発明創出サイクルはどのようになっているか

です。 知財戦略入門編で話したように、まずは、人材

などの組織、教育が必要であり、情報という分析が必要

であり、これらからの知財戦略により研究、技術開発が

おこなわれます。

 

 さらに製造、流通がおこなわれ、投資回収により、

さらに投資が行われ、事業が発展していくということに

ほかなりません。

 

 上のほうに、「無形財産の創出には環境が不可欠」

と書かれていますが、これについてちょっと触れて

みましょう。

 

 まず、知的財産というのは、無形財産だというのを

以前に説明しました。 すなわち、知的財産というのは

自動車とか、鉛筆とかの目に見える物ではなくて

(ちょっと極端なたとえですが)、目に見えない情報です。

 

 これらを創出するためには、ベーシックな環境づくりが

非常に重要だということです。 新しいものを創出する

ことができるようなインフラ(組織など)を構築できるか

どうかが、知財戦略がうまく働くかどうかのわかれめ

ですので、これを肝に銘じましょう。

 

f:id:oukajinsugawa:20140614190739j:plain 

 上は、冒頭の図と同じことを示しています。

 

 知的財産創出のサイクルとして、新技術などを

創出し、これを権利化し(ノウハウ化もあります)、

これを活用することにより、回していく。

 

 さらには、この権利化等により製品の差別化を

図ることにより、売り上げに直結させ、利益貢献を

図り、さらに研究開発に投資することにより、回して

いくということになります。

 

 ぐるぐる回していくことによりどんどんポジティブ

スパイラルに持っていくということで、どの一つが

欠けてもうまくいきませんので、うまく回せる体制が

必要です。