知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

TOP 100 グローバル・イノベーター 2014

 トムソンロイターから世界のトップ100

企業というのが発表されましたね。

 

 私のところにも、「6日に発表して、

14日(金)(明日ですね)に記念シンポを

やりますよー」という案内が来ていました。

 

 残念ながら私もそれほどひまじゃない

ので行きませんが、どんな内容なのか、

ダウンロードした資料から見繕って書いて

みよーではあーりませんか。

 

(おまえ、いつもブログなんて書いていて

よっぽどひまなんだろう、という声が聞こえて

来そうですが、私もこうみえて、結構忙しい

んです。 はい。)

 

 まずは、どんな方法で、トップ100企業と

いうのを決めたんだ?というところですが、

以下にあるように、知財関係でのトップ

100企業というものです。

 

http://top100innovators.com/pdf/Top-100-Global-Innovators-2014-Methodology.pdf

 

 判定基準は、まずは、特許数ですね。

 

 ただし、ただの特許数ではなくて、直近

5年間で100件以上の革新的な特許を

出している企業をトムソンロイターさんの

価値判断で分析しているとなっています。

 

 革新的なものというのは何かというところ

ですが、上のcriteria(判断基準ですね)

では、first publication of a patent document

と書かれており、basic patentsとなって

いますので、まあ、基本特許に近いものと

思ってよいでしょう。

 

 分野としては、ドラッグ(麻薬ではないですよ)、

ビジネスプロセスなどなどいろいろあります。

 

 2番目は、登録率ですね。

 

 これも直近5年で調べています。

 

  3番目は、メジャーマーケットでのポート

フォリオ率です。

 

 どういうことかというと、中国、EU、US、

日本で、どの程度特許化されているかと

いうことです。

 

 各国特許庁などの呼び方として、五大

特許庁と呼ばれ、上記に韓国を含めて

五大特許庁と呼ばれているんですが、

トムソンロイターさんでは韓国さんを

仲間外れにしちゃっているんですね。

 

 まあ、これはさておき、最後は、その

特許がどの程度の影響力を持っているか

ということです。

 

 すなわち、被引用回数(後の出願が先の

出願を引用して、どの程度の件数、拒絶

理由にされたか)ですね。

 

 ということで、中身に移りましょう。

 

 資料はダウンロード可能です。

 

 残念ながらダウンロードにはいろいろ登録が

必要ですが、興味がある人がいるかもしれま

せんので、とりあえず、URLを貼り付けて

おきます。(内容は英語です)

 

http://top100innovators.com/?reviewer=true?utm_source=KnowledgeCenter&utm_medium=Homepage&utm_campaign=2014HPchange

 

 WEBでも日本語記事として出ていますが、

WEB記事で書かれていないような内容を

私のほうで書いてみましょう。

 

 先ず、今回のトップ100では日本が39社と、

US(35社)を抜いて1位になったのが書かれて

います。(これは新聞記事などでも書かれて

います)

 

 それでは、国別に見てみると、次に続くのが、

フランス(7社)、スイス(5社)、ドイツ(4社)、

韓国(4社)、台湾(2社)、カナダ、中国、

オランダ、スエーデンが1社となります。

 

 このトップ100の発表は今回で4回目に

なるのですが、毎年選出されているのが、

日本は17社、US19社、フランス7社、

スイス1社(ロッシュ)、スエーデン1社

エリクソン)、韓国3社となっています。

 

 韓国の3社はLG、LSIS(LG関連会社)、

サムソンとなっています。

 

 日本で毎年選出されているのは、ブラザー、

キャノン、富士通、日立、セイコーエプソン

東芝NECがまず挙げられるのですが、これらの

色分け?(産業分野です)がコンピューターの

ハードとなっており、ちょっと違和感があるのは

私だけ?

 

 ほかには、三菱電機トヨタ、ホンダ、日東電工

(この前、下のようにブログでも取り上げました)、

NTT、オリンパス(ヘルスケアに分類されています。

こちらのほうもブログでお世話に??なっていますね。

余計な分析すんなよなと怒られそうなので、分析

したのは黙っていましょう)、パナソニック

ソニー(特許出願と事業が結びついていないような?)、

シャープ、信越化学となっています。

 


マイクロポレーション? - 知財アナリストのひとりごと

 


パテントマップ特許情報分析編2 ギブンイメージングを買収!! - 知財アナリストのひとりごと

 

 次に3年間連続は、三菱重工業新日鉄住金

SEL(半導体エネルギー研究所といって、厚木に

ある従業員が800名強の研究所です)、TDK

富士フイルム、住友電気となります。

 

 2年連続は、NGKスパークプラグ(日本特殊

陶業さんですね)、日産自動車(やっと出ました)、

旭硝子、となります。

 

 今年初めては、アイシン精機、カシオ、花王

花王さん、初めてなんですね)、神戸製鋼コマツ

京セラ、古河電気、東京エレクトロンとなって

いました。

 

 これに反して、最初入っていたのに、途中で

漏れてしまって、今回再度入ってきたのは、

ダイキン住友ゴム工業(下のようにゴルフ

分析で出てきますね)、ヤマハデンソー

リコーとなっており、漏れてしまったので、

再度頑張ったのでしょうか?

 


特許情報分析ゴルフ用具編 同じ穴の貉?? - 知財アナリストのひとりごと

 

 それでは、USはどうなっているでしょう?

 

 連続して選出されている主な企業を挙げて

みると、ゼロックスヒューレットパッカード

IBMマイクロソフトインテル(入ってる)、

3M、アップル、ボーイングなどなど、そうそうたる

メンバーです。

 

 尚、日本のコンピューター関係の会社は

すべてハードに分類されていましたが、USは

ソフトに分類される企業があるということで、

日本の弱点がここでも浮き彫りになっています。

 

 ところで、グーグルは、1年目は選出されな

かったのですが、2年目から選出されています。

 

 中国は今回初めて1社入りましたが、

これは、華為で、特許出願をどんどん

伸ばしているところなので、今後非常に

脅威になりそうです。

 

 尚、以前にこのブログでも取り上げた

Covidienは、USのほうで、昨年から2年

連続で選出されています。

 


パテントマップ特許情報分析編2 COVIDIENとは? - 知財アナリストのひとりごと

 

 と、まだまだいろいろありますが、長く

なってしまったので、このへんで。