知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

パテントマップ特許情報分析編6 コンパラマップ

 日経ビジネス最新号で霧島酒造さんが

取り上げられていますね。

 

 「記録づくめの最強メーカー 黒霧島

5000日戦争 老舗蔵元の反常識経営」

などというタイトルですが。

 

 ということで、私のほうでは、粛々と、

そのほかの焼酎メーカーさん分析を続けて

いきましょう。

 

 今回は、焼酎メーカーさん分析、その6で、

薩摩酒造さんからです。

 

f:id:oukajinsugawa:20141001182655j:plain

f:id:oukajinsugawa:20141001182734j:plain

 

 薩摩酒造さんの特許出願はほとんどが

焼酎関係ですね。

 

 他の種類の出願も3件ありますが、一貫して

焼酎関係のようです。 

 

 薩摩酒造は、焼酎製造に軸足をおいた知財

戦略を採っているのでしょうか?

 

 軸足はぶれないぞということかも

しれません。

 

 他社製法の特定が困難な製法特許のみ

の出願が非常に多いのがちょっと気になり

ますね。

 

 製法のみの出願は、極端にいえば他企業に

製法を公開するだけの結果となることがあり

ますので、製法特許で出願するだけでなく、

物(製造物)での出願を同時におこなえれば

ベターでしょう。 

 

 六番目は、合同酒精さんです。

 

 合同酒精さんは宝HDさん同様、多角的な

研究開発がおこなわれているのが伺え、

オエノンHDさんでの有価証券報告書により、

酒類以外(バイオ関係)での研究成果が

売り上げにどのように結びついているか

明確です。

 

 このため、酒類研究開発ではない宝HDさんの

タカラバイオとの比較が容易です。

 

 したがって、合同清酒さんがどのように多角経営

戦略をおこなっているかをバイオ関係に着目し、

タカラバイオさんと比較しながら見てみましょう。

 

f:id:oukajinsugawa:20141001182905j:plain

f:id:oukajinsugawa:20141001182942j:plain

 

 上のマップのように、合同酒精さんは

古くから酒類の他に微生物、アミラーゼ等

酵素において医療、殺虫用途での研究

開発を行ってきたのがわかります。

 

 これを直近で見てみますと以下となります。

 

f:id:oukajinsugawa:20141001183048j:plain

 

 将来を見据え、新たな酵素、新規微生物等の

開発による医薬関係、診断薬関係に力を入れて

いるようですね。

 

  それでは、これをタカラバイオさんと比較

してみましょう。

 

f:id:oukajinsugawa:20141001183322j:plain

 

  上記に見られるように、直近10年間の

出願公開では、タカラバイオさんが圧倒的に

件数が多いです。

 

 以前にコンパラマップの作り方を説明しま

したが、こんな感じでエクセルでも作ることが

できます。

 

 合同酒精さんとの違いとしては、遺伝子関係

の研究開発に力を入れているようです。