知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

国会答弁、玉虫色!!!

 アントニオ猪木さんが国会の委員会質問の

冒頭で、「元気ですか~、元気があれば何でも

できる。」と怒鳴って、委員長に「元気もいいですが

心臓に悪い方もいますので怒鳴るのはやめて

ください。」と注意されていました。

 

 ほかの国会議員は笑っていましたが。

 

 ということで、玉虫色の国会答弁のお話を。

 

・・・・・ちょっと違います。

 

 このブログは国会答弁のブログではありま

せんので、この話題はおいておいて、光の干渉

具合で様々な色を醸し出す本当の「玉虫色」の

話です。

 

 前回、「からくり人形の不思議」というのを

書きました。 ここで、人間と同じような動作

をする人形(人形たち)で、様々な動きをする

のに驚いたことを書きました。

 

 32日の朝日新聞では、「むしにまなぶ」と

いう特集で、虫を研究した発明について紹介

していました。

 

 まず初めにドイツのフェストという会社が生み

出したトンボ形ロボットが紹介されていました。 

 

 この会社は1990年代から、自然界に学ぶを

研究の柱として、研究開発をおこなってきた

そうです。 

 

 研究として、魚のヒレ、クラゲ、ペンギンの泳ぎ

などを調査し、ロボットで再現してきたそうです。

(この会社ではないですが、魚型ロボットを

テレビで紹介していましたので、見た方も

いるのでは)

 

 それが、なぜトンボの研究を始めたかというと、

トンボは一日に200から250匹の虫を空中で

捉えて食べ、そのための進化として、鳥と違い、

空中で急激な方向転換や静止、後ずさりも

できるからだそうです。

 

 トンボというのは4枚の羽根をそれぞれ別々に

動かせるそうです。(なんかすごいことのよう

ですが、よく考えてみると、犬や人間も手足を

別々に動かしていますね)

 

下記は、YouTubeでの動画です。

 

http://www.youtube.com/watch?v=nj1yhz5io20

 

 昨年春にハノーバーの産業見本市に出したら

世界中から反響が合ったとのことですが、ロボット

そのものの商品化は考えていないそうです。

 

 今回の開発では、三つの知恵を得ることが

でき、その軽さからら炭素繊維の構造に

ついて、飛行からは、エネルギー効率、

ホバリングと滑空、飛行制御からは、複数

機能の統合を知ることができ、さまざまな

特許を取得し、工場自動化などの本業に

役立てるそうです。

 

(日にちを指定せずFESTO AG & CO (DE)

検索すると、ドイツだけでも1000件以上の

登録公報がありました。(グループでは3000

件以上))

 

 上記は、トンボの話でしたが、その他に、

やはりトンボの羽根に学んだエコ風車や、

チョウチョ、ガ、蚊、カタツムリ、シロアリ、

蠅、などからの研究で実用化済みのものが

あり、ヤママユやユスリカからの研究が

現在おこなわれているそうです。

 

 それではタマムシは何に応用されて

いるかというと、タマムシの体表は透明な

薄い膜を何枚も重ねた構造であり、色素

ではなく光の反射で発色しているので、

これを応用し、塗料を使わずステンレスなどの

金属に色をつけるというのに使われている

そうです。

 

 

 私が日曜の朝毎週見ているテレビの「がっちり

マンデー」では、昨年9月に「虫ビジネス」という

のをやっており、このステンレスに色をつける

というのをやっていました。

 

http://www.tbs.co.jp/gacchiri/archives/20130908/2.html

 

 こちらのほうは、新潟にある株式会社中野科学

という会社で、表面を酸化させることで、様々な

厚さの膜を作製し、この厚さによりいろいろな色を

作り出すそうです。

 

 こちらの会社の特許出願を検索すると3件のみ

でした。

 

 残念ながら、2005年出願の「ステンレス部材の

染色方法」というそのものずばりがあるのですが

拒絶確定となっており、しかも請求項10個が

すべて製造方法であり、技術を外部に教える

だけとなってしまいました。

 

 特許出願が製造方法だけに限定されて

いる場合、もし登録されたとしても、製法を

外部に教えるだけになってしまう可能性が

大きいので、戦略的には製品(物)についても

特許出願すべきではないでしょうか。

 

(拒絶理由通知書を見ると、4つの理由が記されて

おり、①新しくない、②前の技術に比べ進歩して

いない、③明細書と発明に整合性がない、④発明が

よくわからない(こうは書いてありませんが、簡単に

書くとこのような理由です)というものでしたので、

物の出願をしても果たして登録できたかどうか

わかりませんが)

 

 中野科学さんがこのほかに他人が真似

できないようなノウハウを持っていて、出願した

方法を他人が真似できない、というのを祈る

のみです。