知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

生き物の気持ちを知る発明?

 また、「本メールは、国立研究開発法人

科学技術振興機構JST)が主催する

「新技術説明会」に、ご関心をお寄せの

皆様にお送りしております。」ということ

で、関心をお寄せでない私に、新技術説明

会の案内メールが来ていましたので、見て

みましょう。

 

 見てみると、金沢工業大学工学部電気

電子工学科教授平間淳司先生の、「「生き物」

から誘発する微弱な生体電位から生き物の

「気持ちを知り」バイオ制御技術に応用する。

昆虫では網膜電位から防除光源装置の開発、

キノコでは子実体の生体電位、植物では葉面

電位から至適成育環境調節を実現する。

また、食品用の小型MRI装置の開発に成功

した。」ということで、「害虫防除・キノコ

工場・植物工場の研究および食品用小型

MRI装置の開発」というのがおもしろ

そうですね。

 

 従来技術・競合技術との比較としては、

昆虫の光刺激の網膜電位応答に連動した

害虫防除光源装置の開発、キノコ・植物の

生育環境変化の生体電位応答特性に連動

した人工栽培の至適環境調節方法の提案

だそうで、

新技術の特徴としては、

・外的刺激に対する「生き物の気持ち」を

間接に知る

・害虫防除光源装置の開発およびキノコや

植物工場の環境調節技術の開発

・食品向け小型・低磁場型MRI装置

だそうです。

 

 はるばる上京するのも大変ですので、どんな

発明があるのか、特許出願検索をして調べて

見ることに致しましょう。

 

 以下は、平間先生が発明者となっている

出願公開で、企業と組んで研究しているのが

多いようです。

 

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 内容は以下だそうですよ。

 

・ 防虫方法および防虫装置

[課題]

  昆虫への照射光をパルス状にすること

により、あるいは連続光、パルス光に輝度

または周期にゆらぎ制御をすることによって

、より効果的な防虫光源および防虫装置を

提供する。

 

[解決手段]

  昆虫に人口光を照射して、昆虫の行動を

制御することによる防虫方法において、前期

人工光の輝度にゆらぎ成分を与える。

 

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・ 生物を利用した特定物質の検出方法

【課題】

 特定物質を、危険を伴わない方法で感度

よく検出する方法を提供する。

 

【解決手段】

 特定物質に対して走化性を有する一次

生物に標識を施す(S1)。標識を施された

生物を、目的の領域に放ち、特定物質に

走化させる(S2)。特定物質に走化した

一次生物が、特定物質と相互作用し、生じ

た検出物質(S3)を検出することにより、

一次生物を探知する(S4)。得られた一次

生物の位置情報から、目的の領域中の特定

物質の存在位置を検出する(S5)。

 

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・ きのこを生体センサーとして用いた

きのこ栽培方法

【課題】

 形態形成の最適移行段階が的確に分かり、

良質なきのこが得られるきのこ栽培方法を

提供するものである。

 

【解決手段】

 きのこに環境刺激を与えた際のきのこの

生体電位の変化を確知し、この確知した生体

電位の変化をもとに、きのこを栽培することを

特徴とするきのこを生体センサーとして用い

たきのこ栽培方法。

 

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 雪国まいたけさんでは、こんな方法で、

マイタケ栽培をしているのでしょうか?

 

・ 植物の照明栽培方法、防虫用照明装置、

および防虫用照明システム

【課題】

 キクなどの短日植物の開花遅延の回避

又は開花反応の制御を行いつつ、防虫

効果を得ることのできる植物の栽培管理

方法および照明装置を提供する。

 

【解決手段】

 本発明は、植物の照明栽培方法であって、

照明は、出射光が緑色から赤色の領域に

発光ピーク波長を有する複数の光源を用い

て行い、複数の光源の各光源は、所定の

明期幅と、該明期幅より時間平均明るさが

小さい暗期幅とを1周期とする点滅パターン

で同期して又は独立して発光強度が変化

するものであり、パターンは、下記式(1)で

示されるデューティが50%以下であり、

デューティ(%)=明期幅/(明期幅+暗期幅

)×100  (1)

複数の光源により照明される領域の少なく

とも一部は、複数の光源からの照明の

パターンの合成により、照明されることに

より防虫効果を備える、植物の照明栽培

方法である。

 

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・ 軽量永久磁石型磁気共鳴分析装置

【課題】

 リンゴやミカンを検査可能で且つ設置

・移動が容易な重量200kg以下の軽量

永久磁石を用いた軽量永久磁石型磁気

共鳴分析装置を提供する。

 

【解決手段】

 ソレノイド型のRFコイル(10)と、RFコイ

ル(10)の内部に磁場強度43mT~65

mTで直径5cm~10cmの球状の均一

磁場空間を形成しうる一対の板状永久

磁石(13)を具備する。RFコイル(10)は

第1電波シールド(11)で囲み、一対の

板状永久磁石(13)は第2電波シールド

(11)で包み、これらを電磁シールド室(1)に

収容する。RFコイル(10)で受信するMR

信号の中心周波数fo±100kHzの帯域で

且つ増幅度80dB以上でMR信号を増幅

するMR信号増幅部(30)を具備する。

【効果】永久磁石の軽量化に伴う信号微弱化

問題と外来ノイズ問題と回路発振問題とを

解決できる。

 

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 平間先生って、いろんな発明を

しているんですね。