知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

しずくりーん

 「何だ、しずくりーんって?」という

ところなのですが、この名前を知らない人は

多いのでは?

 

 ということで、今回も、「知っとるけ?」

シリーズです。

 

 しかーし、実物を見たら、知らない人は

いないのでは?というぐらい、超有名な製品

です。

 

 商標のほうも、以下のように、登録4388320

となっています。

 

f:id:oukajinsugawa:20160626094021j:plain

 

 この商標権者は、東京都目黒区にある、株式

会社ジャスティスというところなのですが、

この企業名を知っている人も、いないのでは?

 

 この製品は、販売元は商標権者のジャスティス

さんですが、製造は他に委託しており、いろんな

ところで製作した部品を組み合わせ、新潟県燕市

の株式会社アベキンというところで受注生産が

されています。

 

 わかりました?

 

 ファイナルアンサー?

 

 「ばかやろー、そんなの知ってるよ」という方も

おいでと思いますが、この製品の写真は、以下と

なっています。

 

f:id:oukajinsugawa:20160626094110j:plain

 

 写真を見ても、「そんなの知らねーよ。」という

方にはごめんなさい。

 

 これは、傘のしずくを落とす物なんです。

 

 私は、今まで、中に何かエアーを噴き出す

装置か何かがあって、傘をここを通らすだけで

水滴を落としてくれるものだとばかり思っていて、

すーっと、傘を通らせるだけだったのですが、

本体の中に傘を入れて、内側にある側面マット

に傘をぶつけて強めに振ると、内側側面マットが

水滴を取ってくれるそうです。

 

 知りませんでした。。。。。

 

 ここでも、「ばっかやろー、そんなの常識だ

ろうが。」と言われそうですが。

 

http://www.shizukurin.com/

 

 以下のように、ネット通販会社ごとに商品

値段が違うようです。

 

しずくりーんS-800【受注生産】|傘立ての専門店/傘立てどっとコム

 

しずくりーん | 株式会社テラモト

 

【ASKUL】ジャスティス 傘ふり場 しずくりーん S-800 1台 通販 - アスクル(法人向け)

 

ジャスティス しずくりーん TypeS-800 1台の通販 | オフィス用品通販【たのめーる】

 

 ということで、このしずくりーんの特許権

保持しているのが、宮川修悟さんという方で、

出願が1999年12月22日ですので、権利は

まだ維持されており、登録が3289830号

「傘の水切り機」となっています。

 

 この方は、当初、特開平11-164718で、

以下のように、エアーで水を切る装置や、

特開平11-313707「吸水ローラ及び傘の

水切り機」、さらに、特許3242074 「傘の

水切り機」では、やはりローラーを使用する

ものの電力を使用しないという水切り機を

発明していたんです。

 

f:id:oukajinsugawa:20160626094336j:plain

 

f:id:oukajinsugawa:20160626094405j:plain

 

f:id:oukajinsugawa:20160626094426j:plain

 

 そうこうして、さらに、現在の登録3289830

「傘の水切り機」の発明に至り、現在の発明は

以下のようになります。

 

f:id:oukajinsugawa:20160626094455j:plain

 

 「壁8は、板状に形成されており、吸水

機能及び緩衝機能を備えた部材、例えば、傘に

接触する側にスポンジ、フェルト、布又は

これらを組み合わせたものを配置した部材を

使用することが好ましい。このようにすれば、

傘3に付着した水滴を叩き落とすだけではなく、

傘3から叩き落とせなかった水滴をもふき取る

ことができる他、傘3が壁8に衝突する際の

衝撃音を緩和することが可能になる。但し、

壁8を構成する部材は、上記のような構成に

限られるものではなく、傘3から水滴を叩き

落とすことができるものであればよい。

 

 又、壁8は、水切り効果を考慮し、微小な孔が

多数形成された金属プレートや樹脂プレートを

使用して、傘3から叩き落とした水を微小な孔を

通して空間4の外部へ排出するようにしてもよい。

尚、微小な孔とは、傘3の石突き7が突き刺さる

ことがない程度の大きさの孔である。」

 

 ということですので、今度、このしずくりーんを

見かけたら、傘を、しずくりーんの内側に、

ぎっこん、ばったんと、ちからまかせにぶつける

ことに、致しましょう。