知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

特許出願に見る温暖化防止策 1

 自然災害対策編その5です。

 

・ 再表2008/050799「気象改変方法及び気象改変用水蒸気発生装置」

要約

熱源として核融合炉(2)または核分裂

(22)を用い、水蒸気生成には被加熱水(15)の

入った熱交換機(11、37)を用い、その核融合

炉または核分裂炉を冷却または熱交換する

ための流動体が循環する循環パイプ(10、26)を

熱交換機内に延在させることによって被加熱

水に接触させて水蒸気を発生させ、その

水蒸気を蒸気放出パイプ(12、36)で絞った

状態にして上空に噴出させることにより、

噴出させた水蒸気で太陽光を遮って地球

表面の温度を下げるための雲を上空に

形成し、それによって、CO2等の温室

効果ガスを排出せずに気象改変を可能と

する。

 

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、人為的になされた自然環境

破壊等によって生じている地球温暖化

現象の諸々の問題点を抑制するために

大量の水蒸気を強制的に発生させて

気象を改変する方法及び気象を改変する

ための水蒸気発生装置に関するものである。

 

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 この発明は、発明者が4名で、PCT出願が

されているのですが、日本では、進歩性違反で

拒絶になっており、海外でも登録されている国は

ありませんでした。

 

 あるんですね、おんなじような出願って。

 

 とんな公開文献を引用しているかというと、

以下となっています。

 

・ 特開2004-236650「大規模水蒸気塊発生方法及び大規模水蒸気塊発生装置」

【課題】砂漠地等の乾燥地で湿潤な環境を

得ることにより縁化のための一要素を提供

するもので、大規模な水蒸気塊発生装置を

複数設置する等により行う方法及びその

装置を提供する。

 

【解決手段】水路を設けた池に海水等を導き、

その池をドーム3で覆い、ドーム内の水温

上昇を利用して水蒸気を発生させる。この

水蒸気を天井に設けた排気ファン33と

開閉式の天蓋32を制御することにより、

所望の時期に短時聞でドーム内部の

水蒸気を噴出させることにより行うことを

特徴とする。

 

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 それでは、さらに、違う発明を見て

みましょう。

 

・ 特開2011-087560「全地球的炭酸ガス排出問題の解決方法」

【課題】近年、全地球的規模にて地球の平均

温度の上昇が顕著になり、北極やヒマラヤ、

チベットの高地にても氷河やシベリアの永久

凍土が溶け出し、温暖化とともに、人類の

生存環境の悪化の懸念ひいては人類存亡の

危機が強く言われるようになってきた。

このような状況を打開するべく1992年に

気候変動枠組条約に基づき京都会議で

第三回気候変動枠組み条約締約国際会議

(COP3)にて温室効果ガスである二酸化

炭素、メタン、亜硝酸窒素、ハイドロフルオロ

カーボン、パーフルオロカーボン、六フッ化

硫黄について、先進国における削減率を

1990年度基準にて各国別に定め、共同で

約束期間内に目標値を作成することが定め

られた。しかしながら、その実現案は国内

排出量取引制度や再生可能エネルギー

固定価格買い取り制度の導入、地球的温

暖対策税の導入などといった”金融政策”

ばかりで、本来、国や民間が開発するべき

新技術の導入などによるのではなかった。

 

【解決手段】アフリカの乾燥地である広大な

東西4000キロに渡るサバンナの“サヘル”

および“大サハラ砂漠”に乾燥に強く上質な

オイルを生む灌木ホホバを植林する。また、

一部には生態的な配慮や食物を得る手段と

してアカシアやエデンの木らを混植する。

そして植林にかかわる資金はホホバの

CDM証券化によって行う。

 

 この発明に図はついていませんでした。

 

・ 特表2013-513396「大気内への送達システム」

【要約】

本発明は、実質的に地上レベルの位置を

上昇位置に接続する導管と、粒子輸送手段と、

分散手段と結合された解凝集手段とを備える、

固体粒子を地球の成層圏に輸送して分散

させるための装置であって、解凝集手段及び

分散手段が上昇位置に配置される装置、

及び高屈折率の粒子を成層圏内に輸送

する方法、ならびに航空機及びこのように

形成された雲に関する。

 

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、特に地球規模又は局地的な冷却

効果を達成するために、粒子を地球の成層圏

輸送して分散させるための装置及び方法に関する。

 

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 この出願は、マン島(英国の自治領です)

からのPCT出願ですが、審査請求せず、

みなし取下げとなっています。