知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

パテントマップ特許情報分析ゴルフ用具編 23-3 方向性向上

 本日は、ゴルフクラブによる方向性の研究が

どのようになっているのかを見てみます。

 

 復習をすると、2009年1月からの日本

出願でゴルフクラブについて登録されたもの

です。

 

 今回も、絞り込みは、IPDLを使用し、「要約」

において「方向性」という言葉が入っているものを

抜き出します。

 

 エクセルへの抜き出し方法は、以前のブログを

見てください。

 

 まず、直近の登録では、

 

1 アイアンではキャビティー部の最適設計

 

2 ウッドでは、ヘッドとシャフトを含めた最適

  設計

 

3 グリップにより方向性を安定させる

 

というものがあります。

 

 まず、アイアンのキャビティー最適設計ですが、

振動の伝達を抑制するリブや変形部を設けたり、

オープンキャビティー形状を最適設計すると

いうものです。

 

 ウッドのほうは、飛距離同様、シャフトの

剛性値や、ねじり剛性、曲げ剛性などを

最適化するというものです。

 

 最後に、グリップですが、衝撃力による

ねじり変形防止のためのねじり剛性向上

というものです。

 

 まあ、グリップは衝撃を和らげてくれますし、

しっくりくるグリップが必要なのでしょう。

 

 最後に、ピタッと止まって欲しいぞという

ことですが、プロのツアーなどを見ていますと、

オーバーしたボールがバックスピンがかかり、

するするーっとフラッグの近くに戻って来るのを

見ると皆さん、「おーっ」と、大歓声ですよね。

 

 ということで、どのようなキーワードを使うか

ですが、「バックスピン」とすると、「スピン」量と

なっている文献は抜け落ちてしまいます。

 

 「スピン」とすると、スピン量が大きいもの

だけでなく、小さいものもヒットするでしょうが、

まあ、ヒット数は少ないですので、「スピン」

として、要約を見ながら選別していきましょう。

 

 やはり、バックスピンをかける本命は、クラブ

ヘッドのようで、その中でもやっぱりスコアラインが

本命ですよね。

 

 このスコアラインは、溝の角度や深さなど、

さらには、このスコアラインによって、ボールに

傷がつくのを防止するものや、スコアラインの

ほかに補助のラインを入れるものなど、

アイアン関係は、キャビティーとスコアラインが

命でしょうか?

(まあ、それだけでもないでしょうが)

 

 ここで、驚いたことにはパターヘッドの特許も

ヒットしていました。

 

 これは、パターヘッドの上から軟弾性材を

下になるほど後ろ側になるよう斜めに挿入し、

この効果により、ボールをヒットした時には、

パターヘッドの上部より下部のほうがボールに

先に当たることにより、トップスピンよりも

バックスピンのほうがかかりやすくなると

いうものです。(特許第5540994号)

 

 いろいろ研究されているんですね。

 

 尚、ウッドの場合には、バックスピン量を

減らして飛距離を延ばすというほうが重要で、

この研究がされています。

 

 ということで、ゴルフクラブの性能を上げる

ためにはどのようなものがあるのかに的を

絞って見てきました。

 

 最初のほうで概要分析したように、構造や

製造方法、材料などに目を向けると、内部

構造、中空構造、バランス調整部品、成型

方法、組み立て方法、金属、合成樹脂、繊維

強化樹脂、などなど、仕事で分析する場合

には企業ごと、注目項目に的を絞って見て

いくことになりますが、きりがありませんので、

次はボールに移りましょう。