知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

すいきんちかもくどってん明解?

  タイミングが合っちゃいましたね。

  

  昨日「下町ロケット」の話をしたら、ちょうど

 ロケットの打ち上げと重なりました。

 

 それも、朝日新聞夕刊によると、「製造元の

 三菱重工業は、高い信頼性と延期の少なさを

 売りに、衛星打ち上げ市場でのシェア拡大を

 ねらっている」とのことで、「下町ロケット」で

 出て来る「△△重工業」とダブってしまいます。

 

 話は違いますが、つくばに

JAXA|宇宙航空研究開発機構

というところがあるのですが、

 守衛所の外に誰でも見学できる施設があり、

 結構面白くロケットの見学ができます。

 

 守衛所の外での見学はいつでもできますが、

 予約をすれば、守衛所を入って内部見学も

できますので面白いので是非どうぞ。

(小学生とか毎日バスでたくさん来ているようです)

 

http://fanfun.jaxa.jp/visit/tsukuba/#visit_top

  

(私はJAXAの関係者ではありませんので

 お間違いなく)

 

 つくばつながりでちょっと書いてみますが、

 つくば駅から歩いて5分ぐらいのところにつくば

 エキスポセンターというところがあって、

 プラネタリウムも見ることができます。

  

 つくばエキスポセンターは駅から遊歩道で

 つながっており、遊歩道には太陽系の惑星が

 展示されています。

 

 惑星の展示は太陽からの順番で展示されて

 おり、最後は冥王星で終わるのですが、冥王星

 は一時期海王星より太陽に近かったり、また

 一番外側になったりした後に、「惑星ではない!!」

 などと仲間外れ?にされたり、もっと外側の

 惑星が見つかった(かもしれない)などとさんざんな

 目にあっています。

 

 つくばの遊歩道の惑星展示は金属だったか

 石だったか覚えていませんが、動かすには

 めちゃくちゃ重いので、冥王星の展示はその

 ままになっていたような気がします。

 

 冥王星君、自分の責任じゃないのに

 困っちゃいますよね。

 

   ということで、昨日の、下町ロケット

続きです。

 

 訴えを起こされたあとに、顧問弁護士の

 対応がうまくいかなかったり、このため、

 弁理士資格を持ち専門知識が豊富な弁護士に

 お願いするようになるとか、いろいろ展開

 していきます。

 

 ここで、新しい弁護士が、主人公に話す

 くだりですが、

 

  「訴えてきたナカシマ工業の特許が主人公の

 特許に似ているのに、なぜそのほうが特許

 侵害にならないか、わかりますか?」

 (わかりやすいように書き換えていますので、

 本のままではないです)

 

それに続けて、弁護士が話します。

 

「それは、主人公が取得した特許がよくなかった

 からです」

 

 ここで、いろいろ例を挙げながら話が展開するの

 ですが、要は、出願書類の書き方が悪かったと

 いうことを指摘しています。

 

 書類の書き方一つで、強い特許になるか

 そうでないか変わってしまいますので、なるべく

 将来を考えて、広い権利を取るよう考えなければ

 なりません。

 (このへんは、そのうち、どのようにすべきか

 書きましょう)

 

 その後、いろいろ訴訟対応の話となるのですが、

 弁護士が、主人公に,

 

「特許の見直し」

 

をおこなうよう話をします。

 

「抜けがないようにしてください」ということなのですが、

 これは、ポートフォリオを固めてください」ということで

しょう。

 

ポートフォリオというのは、基本特許を取ったと

 してもそれだけではだめで、その周辺特許を

固めるということです)

 

 ということで、この後に主人公の企業が逆に

 大企業を特許権の侵害で訴えるのですが、

 これは特許権の侵害訴訟では常套手段です。

(資金力にもよりますが)

 

 サムソンとアップルの訴訟がすぐ思い浮かび

 ますよね、

 

 このような極端なことでなくても、まず訴えられ

 たらそんなにビビらないで、相手の特許に問題が

 ないかを調べるという作業が必要です。        

 

 もし何か問題があったら、無効審判という、お上に

 訴え出る手段があり、相手の特許をつぶせば

 問題なくなるからです。

 

 この後に、またまた違う大企業が登場し、せっかく

 大枚はたいた特許出願が、小さな主人公の企業に

 タッチの差で特許になるのを負けてしまったというのが

 出てきます。

 

 残念ながらここの記述が特許法的にちょっと違って

 おり、説明をしてみます。

(読み物的に非常によくできており、違っているという

ことに目くじらを 立てる趣旨ではありません)

 

「出願時点では大出企業の出願は特許をとれる

 状態だったが、主人公が一度出願して認められた

 特許に技術情報を追加して補足したために、大企業の

 特許が取れなくなった」

 

 というのですが、訂正制度と いうのを指し示している

のではないかと思います。

 

 しかし、時期的な問題、追加情報の問題を考えると

 これはないでしょう。

 

(内容を書くと非常に難しいので割愛しますが)

 

 その後、この大企業が主人公の企業に乗り込んで、

 「特許申請が却下された」、というのですが、ここは、

 正確な記述にしたいと思います。

 

上記は、正確には「特許出願が、拒絶となった」

となります。(すいません。一般の人にはどっちでも

 関係ないのですが、プロ?の観点では気になった

 もので)

 

f:id:oukajinsugawa:20140520183115j:plain

 

 さらに、大企業が、主人公の企業にライセンス契約を

 持ちかける段では、

 

「独占使用権」をお願いする

 

というのですが、

 (この使用権というのは何度も出てきます)

 

特許、実用新案、意匠では、実施権といい、

 使用権というのは商標法だけです。

 

 一歩譲って独占実施権というのも、特許法的には

 ありません。

 

 まあ、独占的な実施権という意味では、専用実施権

 でしょう。(法的にはなくても、そのほかに同じ

 ような言葉を使ういろいろな契約はありますが)

 

 ということで、おもしろい小説なのでいろいろ

 書いてみました。

 

特許を持っているだけで、競合企業は

 訴えられる可能性があるので、同じような

 技術を使用した商品を売り出すのはため

 らわれ、抑止力となるというのは正論ですね。

 

 またまた、ということで、感想文もどきを書いて

きましたが、私の感想文は80点ぐらいもらう

ことができるでしょうか?