知財戦略入門編 ネジザウルス???
それでは、今回は知的財産権獲得に
非常に積極的な企業を見てみましょう。
大阪に株式会社エンジニアという会社が
あります。 創業は昭和23年で、従業員は
30名、資本金は2000万円と、会社の名前
だけでは何の会社だかわかりません。
しかし、この株式会社エンジニアは平成
24年度産業財産権制度活用優良企業等
表彰で特許庁長官賞(特許活用有料企業)と
いうのを受賞しています。
以下はHPです。
ところで、登録商標を見ると、なかなか
ユニークな名前ばかりで、特に「ネジザウルス」と
いう工具では名前が知れ渡っています。
上に掲げた登録商標もそのひとつで、一度
見たら忘れられないような商標になっています。
下に登録商標名を記載しましたが、登録する
場合には、商品等の区分と商品等を指定するの
ですが、指定商品等の名称を記載しておきました。
特筆できるのは、「MPDP」知的財産に
関する助言またはコンサルティングという
もので、先程の受賞ポイントというのが上記
商標登録されたMPDP理論で、
M(マーケティング)
P(パテント)
D(デザイン)
P(プロモーション)
の4つの組合せにより、ヒット商品が誕生する
という考え方を実践し知財の啓発活動を推進
したというものでした。
ところで、商品名だけでなくここの社長さんも
ユニークで、いろいろなメディアに取り上げられて
いますので、ご覧になった方も多いのではないで
しょうか。
このブログは、ユニークな社長さんに焦点を
当てるブログではないので他の話に行きますが、
「ネジザウルス」というのが、潰れたネジなども
外せるというので有名です。
http://www.engineer.jp/appeal/solu_02
この前は、「緩まないねじ」というのを分析しましたが、
今度は、緩ませる工具というのが必要で、「ねじ」と
侮るなかれ、「ねじ」恐るべしというところでしょうか。
上記は登録商標を見てみましたが、意匠登録にも
熱心で、以下のような登録がされていました。
それでは、特許出願はどうなっているかと
いうのを調べると、以下のように、非常に
積極的です。
さらに登録率を見ても、古いものを含め57%で
あり、最近の登録率は非常に高くなっていますので、
よく考えながら出願をされているのでしょう。
(実用新案での出願はありませんでした)
「ネジザウルス」は
特願2002-95319(登録3486776号)
特願2009-125214(登録4471315号)
USA PAT-6923097
TAIWAN PAT-178742
KOREA PAT-919966
となっており、海外販売も見越して外国出願
にも抜かりがないようです。
(中国で権利取得をしなかったのはなぜで
しょう?)
先程の長官賞受賞の理由で、さらに、「IPDL
と商用DBを併用し、競合他社や工具系の
特許調査でFターム検索等を駆使して、
他分野の技術で、工具に応用できるものは
ないかなどアイデア発掘のためのDBとしても
活用」というのも書かれています。
このように、知財戦略に積極的な企業は、
技術でもネーミングでもマスコミに取り上げられ、
倍々ゲームで名前が知れ渡って行きますので、
売上アップにつながっていくでしょう。
ということで、まずは自分の強み弱みを
把握してどのような戦略を取って行くのか
というのが非常に重要です。