知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

知財戦略入門編 通勤快足?

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 前回の続きです。

 

 それでは、今度は、知的財産権を持っていた

場合を想定しましょう。何か非常に特殊な技術

発明や、基本的な発明をし(最初から基本発明で

あると気付くことはそう多くはないです)、この

権利を国内、海外で保有していたらどうなるで

しょう。

 

 たとえ、大企業であっても製造できず、その

権利を保有している企業に依頼せざるを得ない

ということにもなりますし、その権利を保有して

いることにより市場を独占できるということも

起こり得ます。

  

 ただし、基本特許だけ持っている場合には、

周辺の技術を他に押さえられてしまい、製品を

作れなくなってしまうということが起こりますので

注意が必要です。

 

 また、強い権利を保有しているということで、

先進企業としてのブランドイメージも高まり、営業

での顧客獲得が容易になることもあるでしょう。

 

 上記は技術的な権利を想定しましたが、例えば、

通勤快足」などのネーミングは、なんだか心地よさ

そうな靴下を想像し買ってみたくなりますが、商標

登録されているので、他の企業は権利が登録されて

いる商品には使用できず、独占的に販売ができる

ことになります。

 

 (検索してみたところ、履物だけでなく、かばんや

なべなど他の商品でも登録されていました)

 

 また、「超立体マスク」というとあの特殊な形状の

マスクを思い浮かべることができますし、「糸ようじ」と

いうとあの歯と歯の間を掃除するものをすぐ思い

浮かべることができます。 こちらのほうは意匠も

商標も登録されています。

 

 商標登録をトリビア的に見てみると、

 

 「熱さまシート」

 ゲームソフトの「ファイナルファンタジー」!!

 北海道を代表する銘菓「白い恋人

 駐車場のTimesロゴ

 ショーシューリッキーの「消臭力

 食器用洗剤「キュキュット

 野菜ジュースの「野菜生活100」 

 「ゆるキャラ」(有限会社みうらじゅん事務所・他1名)

  ・他1名というのは、商標登録は商品や

   役務の区分を指定しますので、違う区分なら

   登録できるからです。人形関係で権利を

   保持しているのはみうらじゅん事務所です。

 

 超有名な「味の素」、「カップヌードル」、「ウォークマン」 

「ポリバケツ」、 「万歩計」、「ワンカップ」

「ホチキス」(登録名はホッチキスです) 

「セロテープ」、「マジックテープ」、 

 「ウォシュレット」、「シーチキン」

  

などなど。

  

 すぐに想像がつくようになれば、他の製品と 

差別化(区別をつくようにすること)が可能で、

売り上げに貢献することができるでしょう。

  

 ただし、そのままほっておくと普通名詞化して

しまい、ウォークマンというのは携帯用の 

オーディオプレーヤー全般をさすように思われて 

しまったり、カップヌードルは日清のものだけで

なく他のメーカーのものも含めた全般を指すように 

思われるようになってしまったりします。

  

(エスカレーター、ドライアイスなどは最初

登録商標だったのですが、普通名詞と 

なってしまいました。万歩計やシーチキン

など普通名詞に近いですね)

  

 これらを注意して普通名詞化しないように

監視するというもの知財戦略のひとつといえ

ます。