知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

医療分野が熱い!!

 本日も金曜日の新聞からの話を致しま

しょう。

 

 日経新聞に小型ロボットの話が出ていて、

前回分析をおこなった、カプセル型内視鏡

関連する、カプセル型医療用ロボットの話

でした。

 

 日本は、カプセル型内視鏡では、ギブン

イメージングの後塵を拝していますが、小型

カプセル型治療ロボットの分野では、日本で

新技術が生まれつつあるというものでした。

 

 九州工業大学の自走式カプセル内視鏡は、

小指の先の大きさのミニロボットだそうです。

 

 これは、無線でカプセル内の電磁石を振動

させ移動するのだそうです。従来型は自走式

ではないので、飲みこんでから出て来るまで

10時間程度なのですが、ミニロボットは自走式

なので、1時間程度だそうです。

 

 さらに画期的なのが、小型アームを出して

組織を採取したり、薬剤を投与できる技術に

目途をつけたとのことです。

 

 新聞によると、世界の医療・福祉ロボット市場は

2012年に約5000億円でしたが、2020年までに

3倍程度に増え、産業用ロボットと並ぶ規模に

なりそうだとのことでした。

 

 話は変わって日経産業新聞では、東芝

ヘルスケアを1兆円事業に育てるぞという

記事が載っていました。

 

 東芝さんのヘルスケア事業は、現在4000億円

規模だそうですが、20183月期には1兆円

規模を目指すそうです。

 

 昨日の朝日新聞朝刊にもこの記事が出ていて、

 半導体技術を応用したカプセル内視鏡づくりにも

 乗り出したそうです。

  

 ソニーではレーザー光線をあてて細胞を

 分析する装置を開発し、オリンパスと共同で

 外科手術用の内視鏡の開発も始めたとあります。

  

 経営再建中のシャープではタンパク質の分析

 装置や診療所での初期診断機器に力を入れる

 そうです。

 

 医療機器への進出は電機業界だけではなく

 三菱重工業でもがん治療方法の国内販売の

 承認をすでに受けているそうです。

 

 次に、同じ日経産業新聞では、ティアック

手術動画を容易に共有できる国際規格対応の

映像記録装置を開発したとの記事が載って

いました。

 

 内視鏡の映像や手術映像を高画質で録画

でき、手術時間が長い脳外科などでの需要を

掘り起こすとのことです。

 

 電子、電気機器産業はここのところ元気が

ないですが、インフラや電子デバイス技術を

活かすことにより、今後もこの分野から医療

分野への参入が増えることでしょう。

 

 さらに話が変わって、同じ日経産業新聞で、

山口大が介護対象者を抱き上げる際などに

着用して力を補う介護補助スーツを開発という

記事が載っていました。

 

 この手の介護補助スーツや、筋力が衰え

た人向けの筋力サポートスーツなどの開発は

急ピッチです。

 

 日経ビジネス2014217日号でも装着型

ロボットが取り上げられており(こちらはウエアラ

ブルロボットやロボットスーツなどの呼び名に

なっています)、2035年には6兆円に迫る

市場になると予測しています。

 

 現在、このウエアラブルロボットを開発している

主な企業としては、パナソニックの子会社の

アクティブリンク、ホンダ(展示会などでよく見かけ

ますね)、サイバーダイン、安川電機などがある

そうです。

 

 現在、介護する人は重労働にあえいでいると

言われていますし、ますます高齢人口が増加

するわけですから、早い実現が望まれますし、

安全性も十分に配慮した開発をおこなって

欲しいものです。

 

 また、新聞ではないのですが、日経エレクトロ

ニクスの2014217日号では、生体内に

入って働くセンサー、電源、モーター等が載って

いました。

 

 この記事は、1月にサンフランシスコで開かれた

IEEE MEMS 2014MEMSMicro-Electro-Mechanical

Systems:微小電子機械システム)での発表内容に

ついて書かれています。

 

 発表として、体内に入れても安全な材料で構成し、

その後溶けてなくなるセンサーや電池などが

発表されたそうです。

 

 (昔のテレビ「スパイ大作戦」では小型テープレコー

ダーで話を聞いた後に、テープが自動的に消滅

していましたが、現実の世界でも、そうなりそうです)

 

 内容としては、体内で安定的に機能した後、

時間を制御して自然分解するものや、体内で

無害な物質になる生分解性樹脂などの研究

だそうです。

 

 体内で微小な機構を動かすアクチュエーター

などの研究発表もあり、マイクロ内視鏡

挿入して施術する応用などもあるそうです。

 

 この前のカプセル内視鏡分析では、ミクロの

決死圏のような治療ができるように、早く

なって欲しいと書きましたが、着実に目標に

向かっているようで、頼もしい限りです。

 

(私が生きているうちに実現して欲しいものです)

 

(日経テクノロジーオンラインから、上記MEMS

学会の「報告会開催の案内」というのが来て

いました。価格3万円と結構お高いですが、

聞きに行く人っているのでしょうか?)