知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

親分、てぇへんだー、事件だ、事件だ―!!

  テレビを見ると、東京は雪が降っていますね。

渋谷や新宿はまだ積もっていませんが、汐留は

積もっていますので、東京の中でも違いが

あるようです。

 

 今日は東京の人は外に出ないで私のブログでも

見てもらったほうがよいでしょう。

 

 ということで、今日はトリビアな 話をしてみましょう。

 

  「事件」と聞くと、誘拐事件とか、殺人事件とかが

 パッと頭の中に浮かびますが、実は知財の世界でも

 (知財だけではないですが)、訴訟関係は事件という

 名で呼ばれます。

  

 訴訟には、たとえばこの前の「切り餅」事件のように

 正式には「平成25年(行ケ)第10106号 審決取消

 請求事件」などという番号がつけられます。

 

  特許が公開されると特開123456などと番号が

 ついているようなものです。

 

  これでは味もそっけもないし、後で見ても何の

 訴訟かわからないので、解説する人が勝手に

 事件名をつけることになるのですが、これが一人

 歩きしていかにも訴訟の正式名称のようになって

 きます。

 

  したがって、同じ事件でも解説する人がまったく

 違う名前をつけることがあり、違う事件?などと

 なることもあります。

 

  それはさておき、正式の訴訟名は「行ケ」などと、

 電車名のような名前がついていてよくわからない

 ので、どのような名前の付け方になっているのか

 調べてみましょう。

 

  最高裁判所規定の中に事件記録符号規定と

 いうものがあり、正式にはこの付録の中に

 規定されているのですが、これをいろいろな

 WEBでまとめてくれていますので、そのひとつ

 から見てみましょう。

  

裁判所事件記録符号表

  

 これを見ると、「行ケ」というのは行政事件で

 あって、訴訟の第一審であり、高裁が取り扱って

 いる事件である、というのがわかります。

  

 つまりは、佐藤さんが特許庁に、「特許は無効

 だ」と言いに行ったのですが、特許庁から、「無効

 ではありません!!」と言われてしまいました。

 

  仕方がないので、知的財産権の審判に不満

 だったらボクのところに持ってきてね、と言っている

 知財高裁に「なんとかしてくれ」と言いに行ったと

 いうことです。

 

  番号のほうの10106ですが、これは年度ごと

 (1月開始12月終了)に割り振られ、知財高裁の

 「行ケ」の場合、下3けた(4けたといってもいい

 ですが)が受け付け番号です。

 

  ということで、事件名を調べてきましたが、

 知財関係の事件の名前は結構おもしろいものが

 あります。 特に著作権関係にはおもしろいものが

 多いですので知財トリビア的に調べてみましょう。

 

(内容を書くと長くなるので事件名だけです)

 

 著作権侵害訴訟

 ・サザエさん事件

 ・SMAP事件

 ・やっぱりブスが好き事件

 ・ママの胸よりチャイルドシート事件

 ・キャンディキャンディ事件

 ・宇宙戦艦ヤマト事件

 ・クラブ・キャッツアイ事件

 ・ポパイ事件

 ・101匹ワンちゃん事件

 ・ときめきメモリアル事件

 ・おニャン子クラブ事件

 

 不正競争防止法

 ・スナックシャネル事件

 

 商標法

 ・がんばれ日本事件

 ・阪神優勝事件

 

 実用新案法

 ・おかずを挟んだごはん事件

 

 意匠法

 ・カップヌードル事件

 

 特許法

 ・人工乳首事件・・・名前は刺激的ですが、弁理士

             とっては重要な事件です

  

などなど。 名前は刺激的でも内容は固いです。