知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

畜産業と、IoT モバイル牛温恵ですか?

 IoT花盛りですね。

 

 なんでもかんでもネットにつなごうと

いうわけですが。

 

 酪農・畜産でもこの動きがあり、たとえば、

「モバイル牛温恵」というのがあるんです。

 

http://www.gyuonkei.jp/

 

 これを運用しているのは、「株式会社

リモート」、本社は大分県別府市

資本金が2,750.5万円、従業員数5名

(取締役2名)、事業内容は、遠隔監視

システムと、なっています。

 

 「日経テクノロジー展望2017 世界を

変える100の技術」によれば、2015年

末時点で約600の畜産農家に導入

されており、親牛の膣内に温度センサーを

挿入し、通信ネットワークで親牛の体温を

検知し、生産者はこれをスマホで確認

することができ、分娩時の死亡事故率を

下げることができているそうです。

 

 HPには、特許番号が書かれていますが、

特許3938786「分娩予知通報システム」と

特許5035861「発情通報システム」となって

います。 

 

 分娩予知通報システムのほうは以下と

なっています。

 

【課題】

 出産準備を行ってから出産に立ち会うのに

十分な時間前に、牛等の大型の家畜の分娩

予知を正確に行うシステムの提供

 

【解決手段】

 牛等の家畜の膣に挿入されている測温/

送信モジュール100で計測された家畜の

膣内温度は無線により送信されて、受信

モジュール200で受信され、無線LANや

有線LANを介して、インターネット300に

接続されているステーション310から、

監視センタ350に送られる。

  監視センタ350で、送られた各家畜の

膣内温度データを蓄積し、蓄積した膣内

温度データから分娩時期の予知を行い、

インターネット300を介して、飼養者の

携帯電話320等や関係している獣医の

携帯電話340等に分娩時期についての

通報をメール等により行うことができる。

 

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 もう一つは、クラウド使用の牛管理システム

「Farmnote」というのがあり、運営している

のは「株式会社ファームノート」、設立は

2013年のベンチャーで、本社は北海道の

帯広市、資本金1億1,640万円、事業

内容は、酪農・畜産向け牛群管理システム

「Farmnote」の開発・提供、となっています。

 

http://farmnote.jp/

 

 このシステムは、すでに1,300を超える

農家が利用しており、牛の識別番号を

スマホに入力すると、生まれてからの

病気、投薬等の履歴情報を見ることが

できるシステムだそうです。

 

 特許出願を調べてみると、特開2015-

167529「畜産動物管理システム」という

もので、

【課題】

  畜産動物の個体情報を有効に活用して、

飼育領域全体の状況を把握でき、経営方針の

参考資料をも入手することができる畜産動物

管理システムを提供する。

【解決手段】

  携帯用情報端末装置21と、パーソナル

コンピュータ23と、から構成される情報端末

装置2と、ウェブサーバー31と、アプリケー

ションサーバー32と、データベースサーバー

33と、から構成される中央管理装置3と、

これらを接続するネットワーク4と、から

畜産動物管理システム1を構成する。

前記ウェブサーバー31が保有するウェブ

サイトは、時系列に沿って、畜産動物に

関して実施した活動及びコメントを入力

及び出力することができると共に、畜産

動物の頭数の推移、その内訳、及び

経営方針に参考となるデータを出力

することもできる。

 

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 このファームノートさんでは、2016年8月

から、牛の首に装着し、活動データをリアル

タイムに収集し、人工知能技術で行動の

データ解析をおこない、発情、疾病兆候、

などをスマホに転送できる牛用ウエアラブル

バイス「Farmnote Color」というのも提供

し始めたそうです。

 

 IoTというのは、モノにつながるだけかと

思っていましたが、動物にもつながるし、

しかも、ウエアラブルも人間だけに留まら

ないようで、安くておいしい牛肉を、是非

お願いします!!