知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

富永先生の埋設型融雪槽

 国立研究開発法人科学技術振興機構

というところから、「長岡技科大学・

新潟工科大学 新技術説明会開催の

ご案内」というメールが来ていました。

 

 「本メールは、国立研究開発法人科学

技術振興機構(JST)が主催する「新技術

説明会に、 ご関心をお寄せの皆様に

お送りしております。」と書かれていま

したが、別に、ご関心をお寄せしていない

ので、私は行きませんが、どんな技術が

あるのか、特許のほうで覗いてみましょう。

 

 この中のひとつで、「住宅前の堆雪処理を

目的とした省力・低コストな埋設型融雪槽

https://shingi.jst.go.jp/kobetsu/nagaokaut/nagaokau/tech_property.html#pbBlock10

新潟工科大学 工学部 建築学科 教授 

富永禎秀

 積雪地域において、除雪車によって民地側

(車庫前等)に積み上げられ、硬くなった雪

(雪堤)の処理が住民の大きな負担となって

いる。この雪堤処理の方法として、朝、除雪車

によって積み上げられた雪を落とし込み、

翌日の朝までの24時間で融雪処理する

住宅用 の埋設型融雪槽である。」

というのがあって、URLをクリックすると

以下のようになるんです。

 

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 ここの、富永先生のところのURLを再度

クリックすると、建築学科で都市環境や風工

学を研究しているそうで、風洞実験による

市街地風環境の予測・評価、建物周辺

気流の研究、建物周辺の汚染質拡散の

実験と数値解析、建物周辺の飛雪・積雪の

CFD解析、通風時の室内外気流の実験と

数値解析、都市・建築におけるエネルギー

利用に関する研究などをおこなっている

ようで。

 

 それでは、埋設型融雪槽というのは

どんなものかいな?と調べると、特開

2005-068639/特許4259943の「融雪

装置」というもので、以下のようになる

んです。

 

【課題】

簡易な構成でありながら極めて効率

良く大量の融雪ができる実用性に

秀れた融雪装置を提供するもので

ある。

 

【解決手段】

所定の箇所に埋設され雪塊10を

投入可能な開口部8を有する雪塊

投入ボックス1と、該雪塊投入ボッ

クス1の底部9に設けられ雪塊10

を融かす熱源2と、雪塊10が融けて

発生した融雪水を排水せしめて投入

された雪塊10と前記熱源2とが

接触する状態を作出する排水機構3

とから構成されているものである。

 

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 【0002】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】

一般に、降雪量の多い地域では、一晩で

1m以上の積雪となる場合も少なくない。

従って、この大量の積雪の処理を怠ると

各交通機関は確実にマヒしてしまい生活に

深刻な影響を与える。そのため、このような

地域においては、毎日数回に渡って除雪

作業が行われている。

 

【0003】

この際、道路の除雪は、ブルドーザーの

ような積雪を押動する傾斜押動面を持つ

除雪車により、該積雪を道路脇に押動

することで行われている。

尚、この除雪車による除雪は、特に

渋滞が発生しやすい朝の通勤時の

通行を確保すべく、一般的には早朝に

行われる。

 

【0004】

ところで、この除雪車での除雪は、

前記の通り、前記傾斜押動面による

押動により行われるため、除雪後、

道路脇には雪塊が堤状に積み上げ

られた雪堤ができてしまう。

 

【0005】

この雪堤は、積雪が多い場合には

子供の背丈程にもなる場合があり、

非常に邪魔で、特に玄関前や車庫前に

できると人や車の出入りに大きな

支障をきたしてしまう。

よって、雪国では、朝、必ずこの雪堤を

処理しなければならない。

 

【0006】

この雪堤は、スコップ等により雪を

玄関前等から別の場所に運搬して

処理するのが一般的であるが、

最近、手間のかからない融雪装置

により融雪することも提案されている。

 

【0007】

この融雪装置としては、地上設置型や

埋設型のものがあり、特に埋設型の

ものは家屋の外観に影響を及ぼさ

ないため、近年、多く採用されはじめ

ている。

 

 ということで、融雪手段で雪を融か

したり、融雪室の側壁に地下水透水

孔を形成して融雪室内に地下水を散水

したり、融雪室内をボイラで加熱したり、

また、このボイラにより水から温水を作り、

この温水を融雪室内に散水したりして

融雪する手段が採用されているんです。

(新潟ではよく見かけますが、福島は、

めちゃくちゃ寒く、散水などしたら

凍ってしまうし、常に水を撒くのはめちゃ

くちゃお金がかかるので、この方法は

見かけませんね。 福島県の新潟寄り

のほうは、どうかわかりませんが。)

 

 これらの方法は、融雪効果を発揮できる

し、大量に雪を投入しても確実に処理

することができるのですが、融雪室の

内部や外部に多くの装置を必要とし、

コスト高だし、地盤沈下地球温暖化

促進してしまう等環境に悪影響を与えて

しまうし、極めてエネルギー効率が悪い

などという問題があるため、富永先生、

もろ肌脱いで(ではなくって、一肌脱いで

ですね)、簡易な構成でありながら極めて

効率良く大量の融雪ができる実用性に

秀れた融雪装置を発明したんです。

 

 ふーん、よくわかりました、です。

 

 よくわかりましたので、新技術説明会

には、やはり行く必要はないですね。

 

 ところで、まだ特許登録の年金を払っ

ているようですので、結構使われている

ところがあるのでしょうか?

(これだけは聞いておきたいのですが、

これだけのために行くのは効率が悪い

ですので、やっぱり行くのはやめることに

致しましょう。。。。)