知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

サラヤさんととっきょの関係

 エレフォーム使ってます?

 

 「なんだそれ? 」と言ったかたは、きっと

皿洗いなどをしないかたでしょう。

 

 「あー、あれね」と言ったかたは、きっと

台所で皿洗いをしているかたや(やらされて

いるかた??)、手洗いに敏感なかたでしょう。

 

 私は皿洗いをするのですが、知りません

でしたので、上のように決めつけるのはよく

ないですね。(別にいばっているわけでは

なくて、えっへん!、家族がいないときはやら

ざるを得ないわけで)

 

 エネファームはコマーシャルでよく聞き

ますが、エレフォームのほうは、2012年の

グッドデザイン賞に輝いた製品です。

 

ソープディスペンサー [エレフォーム] | 受賞対象一覧 | Good Design Award

 

 特許庁では、2か月に一度広報誌

「とっきょ」というのを出しているのですが、

この平成26年10・11月号に、このエレフォーム

が取り上げられていました。

 

広報誌「とっきょ」バックナンバー | 経済産業省 特許庁

 

 (尚、すでに12月・1月号も出ており、

こちらのほうでは、この前、下のように取り

上げた、千葉銀さんと、三立機械工業株式

会社さんが載っています)

 


下町ロケット銀行融資 - 知財アナリストのひとりごと

 

 この特許庁で出しています広報誌は、

以前は「WEBとっきょ」というものでWEBで

見る形態のもので、非常にお堅い内容でした。

 

 この広報形態を平成24年に変えて、雑誌

形式になり、非常に読みやすいものとなって

います。

 

 私は、この広報誌を一番後ろから読んで

いくのですが、な~~んでかっ?

(またまた、漫談の堺すすむさん調で読んで

ください)

 

 な~~んでか?(しつこいですね)

 

 それはね、ま~~んがが書いてあるからっ。

 

 ということで、開いてもらうとわかりますが、

裏表紙は、「知財の歴史」となっていて、いろ

いろな発明家の物語が漫画で説明されています。

 

 その前のページに戻ると、全国ご当地

ブランドめぐりと称して、地域団体商法が

取り上げられていて、その前のページには、

「知恵と知財でがんばる中小企業」が取り

上げられています。

 

 ということで、やっとグッドデザイン賞

たどり着くわけですが、このエレフォームは、

家庭で使え、触らなくてもセンサーで洗剤が

自動的に出てくるという製品です。

 

 生(なま)ものを触った手でほかのものを

触ると、ほかのところに細菌が付いて、

食中毒を起こしやすいというのをこの前

テレビでやっていましたが、エレフォームは

優れものですね。

 

(話は違いますが、夏より秋のほうが、

食中毒になりやすいんだそうです。

夏は暑くて細菌君も動くのがいやなんで

しょうか? 蚊も真夏の炎天下では出て

来ないですもんね)

 

 値段をWEBで調べると、2000円から

4000円程度のようです。

 

 この製品を開発したのがサラヤ株式会社

さんで、URLは以下になります。

 

http://www.saraya.com/

 

 創業が1952年で、大阪が本拠のようで、

資本金4500万円、連結従業員数、1712人、

連結売上が322億円という大きな会社です。

 

 「とっきょ」では、知恵と知財でがんばる

「中小企業」となっていますが、大企業です

よね。

 

 事業概要を見ると、コンシューマー事業本部や、

サニテーション事業本部、メディカル事業本部、

海外事業本部、などがあり、やっぱり大きな

企業ですので、「とっきょ」の記事に偽りあり!!

(などと、ことを大げさにするつもりはありま

せんので念のため)

 

 このエレフォームは電池式で、面倒な設置

などは必要ないのがいいですね。

 

 子供のころ学校でお世話になった(子供で

なくても、旅館などにもありますね)、あの緑の

薬用手洗い洗浄液を発売したのが、このサラヤ

さんなのだそうです。

 

 知りませんでした。(知らない知らないと

毎回言っていますが、知らないことが多いん

です)

 

 ということで、知財で取り上げられるほど

なのだから、どのような出願がされているのか

というと、商標は287件、意匠36件(エレ

フォームも「薬液ディスペンサー」として

登録されています)、特許は130件となって

いました。

 

 すんごい量で、特許庁の「とっきょ」に

取り上げられるはずです。

 

 特許出願はどんな分野かというと、エレフォームで

代表される、ディスペンサーのような容器関係が

最も多く、医薬用・歯科用・化粧用製剤、殺菌剤、

洗浄剤、衛生設備等、事業概要で書かれている

分野でまんべんなく研究開発がされている

ようです。

 

 特許で守るだけでなく、意匠や商標でも戦略

的に考えていくというところで、我々も見習いたい

ものです。