知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

水浸し

 噴火しましたね。 

 

 御嶽山。 

 

 まだ山頂に取り残されているかたが

いるようで、まんじりともできないのでは

ないかと思いますが。

 

 富士山は大丈夫なんでしょうか。

 

 噴火だけでなく、地震もあるし、最近は

異常気象、局地的豪雨などで、しょっちゅう

どこかが水浸しになっているようです。

 

 地下鉄駅構内や、駅構内が水浸しで、

全線不通など、よくテレビなどでやって

いますね。

 

 噴火やゲリラ豪雨はなかなか予測が難しい

ようで、早いところ予測ができるといいな

と思っているのは、私だけでしょうか?

 

 ということで、今回は水浸しを解消

できるようにした株式会社ワイエスピー

さんの話です。

 

 「おっ、ゲリラ豪雨の予測か?」と

いうのとはちょっと違っていて、まあ

読んでみてください。

 

 この会社は、この前テレビで取り上げ

られていましたが、第5回ものづくり日本

大賞(昨年9月に発表)で、内閣総理大臣賞を

受賞した会社です。

 

http://www.meti.go.jp/press/2013/09/20130913004/20130913004-2.pdf

 

 受賞している企業を見ると、そうそうたる

企業ですよね。

 

 それでは、ワイエスピーさんというのは

どのような企業なのかというと、従業員数が

載っていないようですが、福岡の小さな企業だ

そうです。

 

http://www.ysp-soybean.com/index.html

 

 受賞者の名前を見ると、家族経営に近いのでは

ないでしょうか。

 

 どんなもので受賞したかというと、「業界

最短の製造時間で高品質の豆乳製造を実現

した豆乳製造方法」だそうです。

 

 この前書いたように、小さな企業でも

知財は重要なんですね。

 

知財戦略入門編 少数精鋭!! - 知財アナリストのひとりごと

 

 て、いうか、小さな企業こそ、知財

重要ですね。

 

 特徴を見ると、20時間以上大豆を水に浸す

という工程をなくし、1日がかりで仕込みから

豆乳製造をするという時間を、20分ほどに

してしまったそうです。

 

 20時間が20分というのはすごいものです。

 

 HPでもわかりますが、機械の名前は「エコ

スター」だそうです。

 

 話では、豆腐の材料になる豆乳は、固い

大豆を柔らかくするために、20時間以上水に

浸さなくてはならないとか。

 

 これをどのように実現したかというと、

上に書いたように、大豆の水浸しをしなくて

よいようにしたということです。

 

 番組では、まず大豆を粉々に切りながら、

大豆の皮を取り除いていました。 

 

 その後水に入れて煮るだけです。

 

 これを聞いて、国内だけでなく海外の企業

からも問い合わせが殺到しているといいます。

 

 すんごいですねー。

 

 ということで終わってしまうと、知財ブログに

なりませんので、どのような特許なのか調べて

みましょう。 

 

 まずは、いつものIPDLですね。

 

 出願人に、ワイエスピーと打ち込んでみましょう。

 

 あんれー、おかしいですね、0件です。

 

 入れ方が悪いのかなと思い、正式名称「株式

会社ワイエスピー」と打ち込んでも0件です。

 

 もしかして、特許出願がないのかなとも思い

ましたが、総理大臣さんに褒められているのに

特許出願がないのも不思議だな、と思いながら

HPページを見てみると、特許取得というのも

書いてあります。

 

 それでは、発明の名称に書かれているものを

入れてみると、出てきました。

 

 出願人が社長さんの名前でした。

 

 おーそうか、社長さん自らが出願人になって

出願してるのか、と思いながら社長さんの名前で

検索すると、出願が14件出てきました。

(発明者で検索しても同じでした)

 

 そうなんですねー。 会社なのに、会社を

出願人にしないところもあるんですね。

 

 なぜなんでしょう?  

 

 ・・・よくわかりません・・・。

 

 まあ、それはさておき、上記の大豆を粉々に

切りながら、大豆の皮を取り除くという登録特許を

調べましたが、これがないんですね。

 

 それでは、出願はどうでしょう。

 

 ありました、ありました。

 

 特許出願が2012年の6月18日(優先権

主張をしています)、特許公開2013年1月31日

で、現在審査請求中だそうです。

 

 発明の名称は、「豆乳の製造装置」だそうで、

特開2013-17483ですので興味のある方は

見てみてください。

 

 といっても皆さん見ないでしょうから、

請求項の1を見てみると、

 

 大豆を粗粉砕し粗粉砕大豆を製造する

粗粉砕工程と、

上記粗粉砕大豆の皮を除去する剥皮工程と、

(以下、省略)

 

というように、テレビで放送していた構成が

書かれているんですね。(当然ですが)

 

 特徴は、大豆を、回転するカッターで

粉々にし、同時に、豆乳製造に不必要な

大豆の外側の皮を取り除いてしまうと

いうところです。

 

 まだ、審査請求段階ですので、特許庁さんに

ちゃちゃ入れられても頑張って欲しいものです。

特許庁さんを敵視しているわけではありま

せんので、お間違いなきよう)

 

 ちなみに、ワイエスピーさんがヒット

しなかったので、豆乳の特許出願はどんな

ところがあるのかということで、調べてみると、

高井製作所さんというところが結構出て

きました。

 

 高井製作所さんは1917年創業となっていました。

 

http://www.takaitofu.com/index.html

 

 高井製作所さんが大御所なんでしょうか?

 

 豆腐を食べるのは大好きなのですが、

作った経験がないのでよくわかりません・・。

(小学校の家庭科で、作ったような気も

しますが)

 

 ・・・・・以上です。