知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

日本写真印刷さんの、化粧品用薄型マイクロニードルシート

 NISSHAさん(日本写真印刷株式会社)

さんで、化粧品用溶解性マイクロニードルの

超薄型パッケージを化粧品メーカー向けに

OEM生産を始めるそうですね、

 

www.atpress.ne.jp

 

 ニードルの成型とともに保護プレートに

微細なへこみを成形し、ニードルを保護する

ため、保護ケースが不要となるそうで。

 

 このNISSHAさん、1929年に印刷業で

創業し、本社は京都中京区、資本金56億

8,479万円、連結売上高が1,192億22百万円、

連結従業員数5,087人、事業内容は、

主に、立体形状プラスチック表面成形

などの産業資材、フィルムベースタッチ

センサーなどのデバイス、医療機器

関連のライフイノベーション、印刷を

生かした情報コミュニケーションの4つ。

 

http://www.nissha.com/index.html

 

 マイクロニードルについては、以下のように

バイセレンタックのDDS技術を導入し、

2013年から溶解性マイクロニードルパッチの

量産に着手したそうです。

 

http://www.nissha.com/index.html

 

 以下のような技術があるそうです。

 

DDS (ドラッグデリバリーシステム) | 日本写真印刷株式会社

 

医薬品向け 溶解性マイクロニードル | 日本写真印刷株式会社

 

http://kaitaishinsho.nissha.com/#!vol05

 

 ということで、今回は、知財戦略という

視点で、特許出願を調べてみましょう。

 

 この日本写真印刷さんで、要約に、「マイクロ

ニードル」というキーワードが入っている特許

出願を調べると、12件あり、発明者数を数え

ると、14人となり、かなり力を入れているのが

わかります。

 

 また、上の記事に、「ターゲットでもある女性

開発者が多数活躍」となっていますが、14人中

6名が女性で、記事を裏付けています。

 

 この開発者の方々の特許出願を古いもの

から調べると、以下のように、タッチパネルや

保護パネルなどを開発していた開発者が、

2012年頃から、マイクロニードルの開発に転換

したのではと思われます。

 

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 一番上の、特開2017-23404は、2017年2月

2日に公開れたほやほやで、マイクロニードルを

皮膚に安定に穿刺するための操作性のよい

バイスだそうで、日本写真印刷さんは、マイクロ

ニードルシートそれ自体、その製造方法だけでなく、

マイクロニードルを貼り付けるための装置なども

研究しており、シート状のものだけでなく、何か

違った形でのDDS(Drug Deliverly System)を

考えているのかもしれません。

 

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 というように、特許出願を調べることに

より、競合企業の力の入れ具合、開発者の専門性、

今後の方向性なども調べることができますので、

知財戦略を考える場合には重要です。

 

 もちろん、公開までの1年半のタイムラグが

ありますので、公開論文情報と併用するのが

必要ですが、残念ながら、大学の先生方は、

特許出願よりも論文発表に重きを置く傾向が

ありますが、企業のほうは、論文発表よりも

特許出願に重きを置く傾向から、論文発表を

調べても非常に少ないということがほとんど

なため、このほかに、ライバル企業の新聞

発表などに頼らざる得ないですね。