知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

パテントマップ特許情報分析編1 ネジ業界のプレイヤーは?

 

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 今回は前回の企業分析の続きです。

 

 上の表は、上位9社の概要です。

 

 データは各社の有価証券報告書

日経会社情報(2013年秋号)、各社

ホームページから調べています。

 

 皆様ご存じの大企業がそろっています。

 

 売り上げ規模が大きいところが多い

ですね。 

 

 小規模企業ですがイイファス株式会社は、

工業所有権の取得運用が事業内容となって

いますので、小規模企業ながら出願が多い

です。

 

 製造販売企業では、ハードロック工業

株式会社が小さいながら大企業と競って

います。

 

 知財分析(そのうち「知財」という

言葉の正確な意味も説明します)には、

特許情報の分析も必要ですが、この

ように、ホームページなどから情報を

収集し、分析することも必要です。

 

 さらには、M&A候補絞り込みなど

では、有価証券報告書などから各企業の

財務分析をおこない、優良企業なのか

危なさそうなのかも分析します。

(財務分析は、そのうち解説していき

ます)

 

 それでは、もう一度出願人別

ランキングマップを見てみましょう。

 

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 ねじを製造している小規模企業

からの出願が多いと思っていました

ので、この分析を見ると、目から

うろこです。

(私だけかもしれませんが) 

 

 逆にいうと、ねじを作っている

企業は多いのでしょうが、小規模

企業からの特許出願は少ないと

いえます。

 

 そうすると、小規模企業にとって、

大企業に負けないように、下請け的に

ならずに大企業と伍していくためには、

コスト的に大企業が手を出さない

ニッチ分野の研究開発に力を入れるか、

大企業もかなわないオンリーワン技術を

確立するかのどちらかの戦略を取る

必要があるでしょう。

 

 今回は、特許出願の出願人から読み

取れるマクロ分析をおこないました。

 

 今回の分析からは、どのようなプレイ

ヤーがいて、どの程度力を入れている

のかを調べることができました。

 

 尚、説明が遅くなりましたが、マクロ

分析とは、大きな観点から概要を俯瞰

する分析をいいます。 

 

 次回は、さらに出願人(出願企業)から

読み取れるマクロ分析第2弾です。