知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

ナーンバーワーンにならなくてもいーい、もーともと、特別なオーンリーーワーン

 ということで、今回はSMAPの歌の話か?

というとちょっと違って、株式会社東亜電化

さんという企業の話です。

 

 この前、弁理士会の講習会で、東京に

行ってきたのですが、ここで、オープン・

クローズ戦略の例で、この企業が取り上げ

られていたんです。

 

 題名は「表面には現れることのない接合

技術 オンリーワン企業」というもので、

「オンリーワン技術をもとに積極的な知財

戦略を展開」しているんだそうで。

 

 この東亜電化さん、調べてみると、本社が

岩手県盛岡市、設立1959年、資本金

3,500万円、事業内容は、めっき及び特殊

表面処理だそうで。

 

http://www.toadenka.com/

 

 ホームページではないですが、以下を

見ると、いつの時点か書かれていませんが、

従業員数は115名、年間売上高は10.4

億円だそうですね。

 

https://www.nc-net.or.jp/company/88923/

 

 受賞歴を見ると、平成11年、16年に

「青木 固」技術賞、平成18年に経産省

「元気なモノ作り中小企業300社」、

平成23年度に「特許活用優良企業 

経産大臣表彰」などを受賞している

そうです。

 

 それはいいけど、「青木 固」って

何だ?と調べてみると、青木固さんと

いう方がお出でだったそうで、この名前を

冠した、一般社団法人プラスチック

成型加工学会の賞なんだそうですね。

 

https://www.jspp.or.jp/aoki_award/aoki_award_top.html

 

 いろんな賞があるんだね、ということと

いろんな学会があるんだね、ということで、

固という名前は何と読むんでしょうね。

 

 ということで、今回は「固の読み方を

調べてみよう」、という趣旨ではありません

ので、さらっと流して次に行きましょう。

(調べると、「あおき かたし」さんという

そうで、人格的に、かたーいかたい人

だったんでしょうか???)

 

 東亜電化さんに話を戻すと、「大学の

知と行政の支援のもとオンリーワンの

接合技術を確立したそうで、「燃料電池

自動車重要部品など大出企業の製造を

支えるパートナーとして活躍」と書かれて

います。

 

 どんな技術に特徴があるのかというと、

接着剤を一切使わず金属と樹脂を結合

させる異素材接合技術だそうで、金属と

プラスチックやゴムなどの高分子材料の

接着には接着剤が用いられますが、

剥離をせずかつ軽量化に優れた異素材

接合技術を確立したオンリーワン企業

なんだそうですよ。

 

 この技術は、超精密モーター、デジタル

カメラ等の電子部品、携帯電話、ノート

パソコン、電量電池自動車用キャパシタ

などに採用されているそうで。

 

 異素材の接合には、岩手県の松尾

鉱山に産した硫黄を有効活用しようと

する研究開発から生まれた、硫黄有機

化合物であるトリアジンチオールが

使用され、撥水性、潤滑性、離型性に

優れているんだそうです。

 

 それでは、どんな特許出願状況か

ちょっと見てみましょうかね。

 

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 金属-樹脂間接合については、色付け

したもので、2009年から2010年での出願

なのですが、デンソーさんと組んで開発

したんですね。

 

 海外でも真似されないようにしてるの

かな?と調べると、色付けされた金属-

樹脂間接合については、USですでに

特許化されており、中国やEUにも出願

されていますので、真似されないように

気をつけており、ご立派。

 

 さらに、海外出願などは、中小企業に

とって資金面で問題がある場合が多い

ので、大企業と組んで出願する戦略を

採っているんですね。