知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

特許分類検索上級編 第12回  観点詳細

 Fタームのその6で、今回は、観点を

詳しく見て行きましょう。

 

 まずは、Fタームを用いて検索するには、

そのテーマコードにはどんな観点があって、

どんな構造になってるんだ?というのを

見る必要があります。

 

 さらには、そのテーマコードは、FIの

どの部分に関係しているの?(FI適用

範囲ですね)というのを見ておく必要が

あります。

 

 まずは、観点って、どのように設定されて

いるんだ?ということなのですが、実は、

目的、用途、構造、材料などと、皆同じように、

設定されているわけではなくって、テキトーに

(ではなくて、「適当になるように」ですね)、

設定されているんです。

 

 典型的な例を挙げると、発明の特徴を

単純に類型化したものや、複数の技術

要素、すなわち、構造、機能、使用素子、

材料等の技術要素の組み合わせで

類型化したもの(組成物や制御等の

分野で多く見られます)、さらには、上記

二つの混合したものなどが挙げられます。

 

 といってもわかったような、わからない

ような?気がしますので、発明の特徴点を

類型化したものを例にとって、詳しく見て

みましょう。

 

 発明の特徴点を類型化したものというのは、

機械や日用品、電機部品などに多く見られる

のですが、研修テキストの図を貼り付けさせて

もらうと以下のようになります。

 

f:id:oukajinsugawa:20151002083450j:plain

 

 これは何を表しているかというと、

Fタームというのは、たとえば3B011

AA01とか3B011AA02、3B011AB01、

3B011AC01、3B011BA01、3B011BB01

とか表されるわけですが、たとえば、

このFタームAA01は、上の図の「A」が

FタームAA01の最初のAを、a1という

のが、FタームAA01の2番目のAを

表しています。

 

 a1とかa2の中に点々がありますが、

この点々が数字の01とか02に相当し、

それぞれのFタームとなります。

 

 ということで、観点AAとかABとかの

最初のAが大くくりで、Aの中にa1とか

a2とかが含まれるということになります。

(実際の観点ではA「A」、A「B」、

A「C」とかと記載されます)

 

 ということで、簡単なFターム3B001

「食卓容器」で実際のものを見てみま

しょう。

 

f:id:oukajinsugawa:20151002083336j:plain

 

 この食卓容器では、観点はAA、BB,、

CC、DA、DB、DCの6つですが、AA、

BB,、CCはそれぞれ別々の大分類、

DA、DB、DCは大分類Dに含まれる

中分類となります。

(この大分類とか中分類とかという

言葉は、私が勝手につけた言葉で、

共通に通用する言葉ではありません

ので、念のため)

 

 この食卓容器は、発明の特徴を、対象物は

何だ?とか、特徴箇所はどこだ?とか、

そのほかの特徴点はどこだ?とか、使用状態、

目的、その他どうなっているんだ?などと

いうように類型化しています。

 

 といいうことで、実際には以下のように、

Fタームが付与されることになります。

 

f:id:oukajinsugawa:20151002083756j:plain

 

 ちなみに、上の図は、3B001の解説の

以下の「図」というのをクリックしたものです。

 

f:id:oukajinsugawa:20151002083841j:plain

 

 ということなのですが、観点の設け方

はここで示す例に限られる訳ではありま

せんが、我々は、特許庁で観点決めを

するわけではありませんので、まあ、

上のような典型的な例を理解しておく

だけでよいでしょう。

 

 ということで、特許分類検索上級編と

いうことで、少しはIPC、FI、Fタームと

いう技術分類について詳しくなった??

ような気がしますので、次回からは、

いよいよ先行技術調査の方法を見て

行きましょう。

 

 それではまた。