知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

医療もウエアラブルの時代に突入

 手塚治虫さんの鉄腕アトムでは、

中央にでっかい電子頭脳が鎮座して

おり、この電子頭脳によって大都市が

制御されていました。

 

 映画やテレビなどでも、中央の電子

頭脳によってロボットが作りだされたり

して、人間がロボットに支配されるという

のがしょっちゅうでした、

 

 幸か不幸か、または残念ながら?この

ような未来は到来せず、個人個人で電話は

持つは、パソコンを持つは、個人個人で

テレビも見ることができるようになって

来ています。

 

 今の流行は、中央集権ではななくて、

個人主義?(ちょっと違うような)の

ウエアラブルですね。

 

 何でもかんでも英語にすればいいって

もんでもないですが、まあ、服などの

「ウエア」という言葉に(服だけでなく、

身に着けるという意味もあります)、

「できる」という意味の「able」がくっ

ついて、身に着けることができる、と

いう意味になっているわけでして。

 

 ウエアラブル機器(製品)にはどんな

ものがあるかというと、眼鏡型や腕時計型、

リストバンド型などの端末が結構出てきて

います。

 

 まあ、イヤホンやヘッドホンなども

ウエアラブルって言っちゃあ、ウエアラ

ブルなわけですが、健康管理用端末など

でも音楽を聴いている間に生体情報を測って

くれる三菱ケミカルさん傘下地球快適化

インスティテュートのイヤホンなども

発表されています。

 

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/EVENT/20131024/311100/

 

 さらには、肌に直接張り付けられる

ような研究も進んでいて、体に直接

貼れるシート状生体センサーなども

研究されています。

 

 このシート状生体センサーというのが

どんなものかというと、東大の染谷隆夫

教授らが研究しているもので、体に直接

貼り付けて生体情報を測定できるという

ものです。

 

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20141219/395342/?rt=nocnt

 

 記事では、生体適合性に優れた粘着性

ゲルを開発し、皮膚などの表面に直接貼り

付けられるように極薄の高分子フィルム上に

生体センサーを作成したとなっていますね。

 

 詳細は記事を読んでいただくとして、特許

出願がどんなものが出ているのか見てみると、

以下のように、フレキシブルな電気回路を

研究しているようです。

 

f:id:oukajinsugawa:20150106205147j:plain

 

 この中の最新の公開公報がシート状生体

センサーのようですね。

 

 ということで、直接肌に貼って、それも、

肌と一体化したものに近いものができあがり

つつあるわけですが、おむつに貼り付けて、

その換え時を知らせるセンサーなども開発

されているそうで、私のところのワンちゃん

も、年食ってお漏らしするようになりました

ので、早いところ開発して欲しいものです。

(うちのワンちゃん、おむつを嫌がるので、

私のほうが使わせていただくことになり

そうですが)

 

 上記は肌に貼るというものですが、研究は

進んでいて、心臓や、脳、血管などを包み

込んで、異変を察知するようなデバイスも

研究されているそうです。

 

 科学の進歩というのはすごいもん

ですね。

 

 ということで、上記は、医療に近い

ウエアラブルでしたが、話が変わって、

今度は、人体に貼って発電をしようと

いう研究です。

 

 東北大学からは、以下のように、貼って

発電する皮膚パッチというのが開発されて

います。

 

http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2014/11/press20141118-01.html

 

 これもすでに特許出願公開がされており、

特開2014-207987「生体組織貼付用キット

及び生体組織貼付用パッチ」となっています。

 

 どんなものかというと、酵素反応を利用して

微弱な電流を発生させ、皮膚を通しての浸透を

促進できるというものなんだそうです。

 

 一人一人に貼ることによって、原子力

発電をなくすのかと思いましたが、残念

でした、こちらも医療関係で、薬の浸透を

促進させるだけなんですね。

 

 皮膚を通して薬を投与する「経皮投薬」

では、鎮痛剤を浸透させる湿布(シップ)

など各種有効成分の皮膚内への浸透が、

数十μAの微弱電流を流すことで数倍~

数十倍まで加速できる効果があるんだ

そうですね。

 

 以前にも、ブログで経皮投与は取り上げ

ましたね。

 


マイクロポレーション? - 知財アナリストのひとりごと

 


マイクロニードルアレイ?? - 知財アナリストのひとりごと

 

 このため、電流を流す方法は局所麻酔剤の

高速投与などに利用されているんだそうですが、

外部電源や配線などの装置が必要で、家庭

での個人使用には適さなかったんだそうで、

これらが簡単におこなえるようになるんです。

 

 発電方法としては、糖を含むハイドロゲルや

酵素を含んだ2枚の炭素繊維布、ゴム製の

抵抗、これらを保持するシリコンゴム製フレーム、

身体に貼り付けるためのメディカルテープなどで、

電極が糖分解酵素を含んでいるため、ハイドロ

ゲルとの界面で酵素反応が起こり、糖が分解

されてプラスイオンと電子が生じ、この電子が、

ゴム製の抵抗を通ってカソード(正)電極側へ

流れて、カソード電極で空気中の酸素(O2)と

化学反応を起こし、発電するんだそうです。

 

 わかったような?わからなかったような?

 

 まあ、わかったような気になって、早いこと

開発していただくことに致しましょう。