知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

2014年版特許庁行政年次報告書

  もうすぐ弁理士短答試験ですね。

 

 このブログを読んでいただいている方でも、

 弁理士試験の受験者がいるかもしれません。

  

 今年の試験統計情報はまだ出て来ていない

 ので何人受験者がいるのかわかりませんが、

 受験する方は頑張ってください。

  

http://www.jpo.go.jp/oshirase/benrishi/shiken/index.html

 

 ということで、 特許庁から、行政年次報告書の

 2014年版が出てきましたね。

  

http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/nenji/nenpou2014_index.htm

  

 皆さん、読むのが面倒でしょうから、私の

 ほうで、見繕って書いてみましょう。

 

(私のブログでは、すぐに、「ということで」という 

言葉が出てくるのですが、まあ、「ぬばたまの~~」

 というような「まくらことば」と思っていただいて、

 たいして意味はありませんので、読み飛ばして

 ください。

 

(全然、まくらことばになってないじゃないか、

 という鋭い突っ込みがあるかもしれませんが、

 そこは大目に見ていただいて))

 

 まずは、審査官の数です。 2013年度の特許

 審査官の数は1701名だそうですね。

 

 この数は、全審査官の数だと思っていたのですが、

 特許審査官、と書かれているので、特許だけの

 審査官なのでしょうか?

 

 そのうち、特許庁の方と話す機会があったときに、

 聞いてみましょう。

 

 次は、特許審査官1人当たりの審査処理件数です。

 

 平均年間239件となっていますので、12

 割ると、月約20件も処理してるんですね。

 

 ということは、大体11件処理していると

 いう計算で、最近は、下調べ?は外注に出して

 いますが、それでも、11件処理するというのは

 大変な作業です。

 

 何となれば、読んで理解することのほかに、

 拒絶理由通知とかも書かなければならず

 (我々にとっては、面倒な拒絶理由通知書など

 書くのはやめにしていただいて、特許査定に

 していただいたほうがありがたいのですが)、

 それだけでも結構時間がかかるでしょう。

  

 その後にも、拒絶理由通知に、文句を言って

 くる我々のような??輩にも対応しなければ

 ならず、よくそれだけの出願資料を覚えている

 ものだと思ってしまいます。

 

 任期付き審査官というのを大量に増やして

 来ましたので、FA(First Action:審査請求から

 一次審査通知までの期間)も大幅に短くなり、

 11か月となったそうです。

 

 これは良い傾向です。

 

 悪い傾向のほうですが、日本での特許出願 

件数は33万件を切ってしまいました。

 

 前年からの落ち込みは約4%となります。

 

 PCT出願という、海外への出願は増加して

 いますので、国内企業は、グローバルな視点で

 歩み始めた、と言っていいのではないかと

 思います。

 

 私のブログでは、よく特許査定率の話を

 しますが、2013年の特許査定率は69.8%と

 70%近くになり、ほんの4年前の2009年には

 50.2%だったというのが信じられないような

 上昇です。

 

 やはり、皆さん、出すからには、権利を取るぞ

 という意気込みで、出願前の特許調査を行う

 ようになったというのが大きいのではないかと

 思います。

  

 お金も、もったいないですしね。

  

 しかし、今後は、特許を取るだけでなく、さらに、

 どのようにすれば強い特許を取ることができるか、

 ということに焦点を絞って考えていかなければ

 ならないでしょう。

 

 中国の出願件数について以前に書きましたが、

 

http://oukajinsugawa.hatenadiary.jp/entry/2014/01/15/173155

 

日本の2倍以上になっており、日本は、量より質

 への転換時期なのでしょう。

 

 ということで、行政年次報告書のほんのさわりだけ

 でしたが、そのうち気が向いたら、続きを書いてみましょう。