知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

パテントマップ特許情報分析編1 パテントマップをまとめてみよう!

  今回の特許情報分析編ではまず初めと

して「ねじ」を取り上げて、パテント

マップを使用した特許分析をしてきました。

 

 一区切りつきましたので、特許情報

分析についてまとめをおこないます。

 

1 特許分析手法

 

 まず大きなところを俯瞰して徐々に

 

 マクロ分析 ⇒ セミマクロ分析 ⇒ ミクロ分析

 

と移っていきます。

 

 特許情報分析が必要といってもそれ

だけでは片手落ちになります。

 

  まずは最初に他の情報を幅広く収集

して分析します。 

 

 M&Aの場合には、有価証券報告書

会社情報などから財務分析もおこない、

グラフを駆使して見える化をおこないま

しょう。

 

2 パテントマップでの可視化

 

 今回取り上げた主なパテントマップ

示します。

 

1) ランキングマップ

 その技術分野について誰が力を入れている

のかや、どのような技術開発に力を入れて

いるのかなどランキングによって俯瞰比較

します。

 

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2) シェアマップ

 上記のランキングマップと同じような

手法ですが、こちらのほうはその比率に

よって、優位性などを比較します。

 

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3) 時系列マップ

 注目分野の技術開発がどのように推移

しているのかなどを時系列で分析して

いきます。

 

 他社の研究開発の力の入れ具合などが

わかりますので、他社対策に使うことが

できますし、将来予測にも使われます。

 

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4) マトリクスマップ

 時系列マップで技術開発推移を調べた

ものを、違う視点で、どの技術に力を

入れているのかなどをさらに詳細に分析し、

戦略策定をしていくのに使われます。

 

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5) コンパラマップ

 自社と他社の強み、弱みなどの比較に

より詳細に分析します。 

 

 M&A先、企業協業先若しくは大学提携先

探し又は競合他社分析などに使われます。

 

 さらに自社の弱い分野でどのような戦略を

とるかなどに使うことができます。

 

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6) ライフサイクルマップ

 対象技術がどのようなライフステージに

あるのか分析します。 

 

 今回は、マップ貼り付けの都合から

ねじ業界全体のライフステージとして

最後に調べましたが、このような業界

全体の場合には、最初のマクロ分析で

おこないます。

 

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7) サイテーションマップ

 前にも書きましたが、対象特許が強い

特許なのかを調べることができます。

 

 また、被引用文献を調べることにより、

この特許により拒絶となった企業の研究

開発動向を推測し、自社の特許ポート

フォリオを補完する特許出願をおこなう

などに使うことができます。

 

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 同じ内容のマップでも、いろいろな

表現のしかたがあるのがおわかりなの

ではと思います。

 

 今回は最初の方はエクセルでグラフを

作り貼り付けていましたが、次回からは

最初からパテントマップ作成ソフトで

作ったマップを貼り付けて行きます。

 

 尚、あくまで間違って欲しくないのは、

この特許情報分析は、知財戦略策定の

ための前段階の手段、ツールであって、

最終目的ではありません。

 

  この分析で間違ってしまうと戦略策定も

間違ってしまう危険性があるりますので、

詳しく解説しています。 

 

  特許情報分析が目的になって、凝った

グラフを作るのに時間を取られる、という

ことにならないよう気をつけましょう。