知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

ニッタンさんの放射線遮蔽タングステンシート

 ニッタンさんの本名?は、日本タングス

テン株式会社、本社は福岡市博多区、設立

1931年、資本金25億950万円、連結

売上高が11,022百万円、連結従業員数

484名、事業内容は、タングステン、モリブ

デン、その他の金属の精製、加工、ファイン

セラミックその他窯業製品、産業用機械装置

および機械部品、他。

 

http://www.nittan.co.jp/index.html

 

 このニッタンさん、タングステンシートを鉛に

代わるおもりとして開発し、2002年に発売し、

その後、エラストマー樹脂を混合することで、

鉛と同等の比重で、折り曲げやハサミによる

裁断といった加工性を実現し、鉛の有害性

が問題視されている昨今、放射線遮蔽材と

しての代替材として脚光を浴び、医療用、

工業分野、空港手荷物検査などの用途で

使われるようになって来ました。

(と、新聞に書いてありました。)

 

 このタングステンシート応用のタング

ステンマットは、ガラスクロスにタングス

テンシートを封入していて、鉛のものより

3分の1程度の厚みで、同等の放射線遮蔽

能力があるため、2011年の東日本大震災

以降、柔軟性と加工性から、タングステン

マットの受注が急増しており、タングス

テンエプロンなどの応用製品も広がりを

見せているそうです。

 

 なるほど、ニッタンさんのHPでは、

以下のような記述がありますね。

 

http://www.nittan.co.jp/tech/gihou/tungsten_sheet_shahei_054.html

 

高密度タングステンシート − 鉛に替わる放射線遮へい新材料 −<その他<ニッタン技報|日本タングステン株式会社

 

 特許出願を調べると、なるほど、2002年

から特許出願がされています。

 

f:id:oukajinsugawa:20170202135351j:plain

 

 特許4119840を見てみると以下のように

なっています。

 

【要約】

 エラストマーまたは加硫ゴム中にタングス

テンのような高密度粒子が均一に分散した

複合材料であって、複合材料の全体積中の

エラストマーまたは加硫ゴムおよび高密度

粒子が、それぞれ、35~50体積%と50~

65体積%からなり、高密度粒子の粒子組成が、

粒子径がそれぞれ、10μm以上100μm

以下の大粒子が60~80体積%と、3μm

以上6μm以下の中粒子が10~20体積%と、

1μm以上2μm以下の小粒子が10~20

体積%とからなり、大粒子の間に中粒子と

小粒子が充填されている。優れた柔軟性と

加工性を有し、放射線遮蔽シート材、ウェイト

部材、防振材、バランス部材、さらには、放熱

用材料、散弾用材料として好適に使用できる。

 

f:id:oukajinsugawa:20170202135406j:plain

 

 一般消費者向け製品でなくても、我々の

安全を守る身近な製品も、いろいろあるん

ですね。