知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

セントラル硝子さんのオーロヴェール

 セントラル硝子さんがビジョン開発(株)と

共同で、映像を映し出せるスクリーンガラス

「オーロヴェール」というのを開発したそうで

すね。

 

透明スクリーンガラス オーロヴェール|セントラル硝子の建築・住宅用板ガラス総合サイト GlassLife

 

 新聞によると、ガラス上にダイヤの微粒子を

ちりばめた膜をコーティングし、フィルムなどに

比べ、耐久性や映像の鮮明さを高めたそうで。

 

 プロジェクターからの光を散乱させてガラスの

透視性は維持し映像を映すので、店舗のショー

ウィンドウやオフィス向けを狙っているそうです。

 

  工事費除く標準材料価格は1平米8万円

前後だそうで、お金持ちのお店屋さん、1枚

いかがです?

 

 ということで、商標登録は登録5825909、

指定商品は、「建築用ガラス,建具(金属製の

ものを除く。) 、ガラス基礎製品(建築用の

ものを除く。),ガラス製又は磁器製の立て

看板」

 

f:id:oukajinsugawa:20170519123003j:plain

 

 特許出願は、特開2017-021155「光散乱性

被膜を有する透明スクリーン及び光散乱性

被膜形成用塗布液」、出願人は、「セントラル

硝子株式会社」と「ビジョン開発株式会社」。

 

【課題】

 無機酸化物高分子を媒体としながら、「透明性」

と「光散乱性」を併せ持つ、光散乱性被膜を

有する「透明スクリーン」を提供する。

 

【解決手段】

 光散乱性被膜は、ダイヤモンド等の高屈折率

粒子の表面が、表面修飾用重合体によって修飾

された「被修飾粒子」が、無機酸化物高分子媒体

中に分散した「複合体」を含んでなるものであり、

高屈折率粒子の質量(A)、表面修飾用重合体の

質量(B)、無機酸化物高分子媒体の質量(C)の

合計値(A+B+C)を100質量%としたとき、

A/(A+B+C)が1.0~10.0質量%であり、

かつB/Aが4.0以上であること。

 

f:id:oukajinsugawa:20170519123040j:plain

 

【技術分野】

【0001】

  本発明は、光散乱性被膜を有する透明スク

リーン及び光散乱性被膜形成用塗布液に関する。

 

【背景技術】

【0002】

  商業ビルのショーウィンドウや案内板等に、

光透過性を保持したまま広告等の情報を投影

表示する透明スクリーンが、建築物分野におい

て近年注目を集めている。また、建築物分野

だけでなく、自動車のフロントガラスに位置

情報等を投影するヘッドアップディスプレイ

(HUD)としての透明スクリーンの利用も

近年盛んに研究されており、自動車分野でも

注目を集めている。

 

【0003】

  透明スクリーンとして、2枚のガラスの間に

ホログラムを封入した合わせガラスタイプ、

透明基材表面に光散乱体を含有する樹脂

フィルムを貼ったフィルムタイプ、光散乱体を

透明基材に練りこんだパネルタイプ、透明な

分散媒体中に光散乱体を分散させた光散乱

性被膜をガラス等の透明基材表面に塗布し

た塗膜タイプなどが知られている。

 

【0004】

  ショーウィンドウや案内板等に用いられる

透明スクリーンは、正面からだけでなく、

斜めからも見られることが多く、スクリーン

面の外観が白濁等しておらず、光散乱性が

良好なことや、斜めの角度からでもスク

リーン面の映像を鮮明に見られることが求め

られる。

 

【0005】

  また、街を練り歩く人々や自動車のドライ

バーが、透明スクリーンの表面に触れることが

想定されるため、塗膜タイプの場合は簡単には

表面の塗膜が剥がれないように、実使用に

耐えうる硬度を有する透明スクリーンが望まれ

ている。

 

 ということで、この発明に至ったそうです。

 

 そのうち、車のガラスなどにも応用される

日が来るのかもしれませんね。