知財アナリストのひとりごと

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Ig Nobel Prizes その7 航空機ハイジャック対策システム

 2013年には、イグノーベル賞として、

1度に10もの賞が授与されたのですが、

この技術は、ハイジャック対策として、

2013年イグノーベル安全技術賞に

輝いています。

 

 これはUS特許3811643となっており、

出願が1972年11月2日、登録が1974年

5月21日でしたので、この発明をおこなった

Gustano A. Pizzoさん(米国)はすでに

亡くなっており、惜しくもこの栄誉に、

生きて輝くことはできませんでした。

 

 それでは、どんな発明だったのか、見て

みましょう。

 

 発明の名称は、「Anti Hijacking System for

Aircraft」、図面は、Fig 1が平面図、Fig 2が

正面図で、正面図のほうは、Fig1の「2」と

いうところを、切り取った図になっています。

 

 

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 まずは、ハイジャッカーがサービスエリアに

入って来て、「コクピットのドアを開けろ」

とか言い出したり、キャビンアテンダント

(この頃はまだ、「スッチ―」と書かれて

います(スチュワーデスですね))がパイ

ロットに通報すると、パイロットは、左右に

隔てるパテーションを上に上げて、部屋を

2つに仕切り、落し蓋のスイッチを入れます。

 

 そうすると、ハイジャッカーはストンと、

下に落っこちて、そのまま捕獲網に捕獲され、

その後、胴体下部の落し蓋も開き、めでたく

ハイジャッカーは、パラシュートで落下する、

という仕組みになっています。

 

 「怖いですね~~、恐ろしいですね~~。」

 

 パラシュートが開かなかった時には、お陀仏

なんですね~~。

 

 このような怖いシステムなら、ハイジャックも

起こらなくなるんですね~~。

 

 てゆーか、ハイジャッカーが複数いたら、

どうなるんだ?とか、人質を取っているときに、

そのまま落し蓋を開いちゃうのか?とか、

一緒にスッチーが落っこちねーのか?とか、

飛行中に胴体開けて、空気圧や、航空機

自体が不安定になんねーのか?とか、突っ

込みどころ満載ですが、このシステムが

航空機に備えられたというニュースは、

聞かないようですね。

 

 まあ、この特許は、被引用回数が40回と、

いーい仕事をしていますが。

 

 ということで。