知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

回転歯ブラシ、クルンプレミアム

 この前、新聞に一面広告で、クルン

プレミアムという回転型の歯ブラシが

載っていました。

 

 使ったことがありませんけど、よく磨ける

んでしょうか?

 

 家人は、どれぐらいの期間使えるのか?

というほうに興味があるようでしたが。

(やはり、主婦の発想は、おやじと違うよう

ですね???)

 

 広告には特許5783435と書かれていま

したので、調べると、歯ブラシそのものの

特許ではなくて、「回転式歯ブラシのブラシ

単体の製造方法及び製造装置」という、

製造方法のほうの発明なんですね。

 

 どんな会社が製造販売しているのかを

調べると、大阪市に本社がある「クルン

株式会社」で、設立が2010年、資本金

100万円、事業内容が歯ブラシの製造・販売、

口腔衛生商品の企画開発、コンサルタント

化粧ブラシ・オリジナル商品の開発・製造・

販売だそうで。

 

http://www.kurun.co.jp/

 

 商標登録をを調べると、以下のようになって

いて、なるほど、「RUNDA」という歯ブラシも

ありますね。

 

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 NEBLONというのは今後発売するんで

しょうか?

 

 新聞広告には書かれていなかった、

HPに載っている特許と登録実用新案を

調べると、特許のほうは、最初の登録

権利者から権利を一部譲り受けた、特許

4040754号「歯ブラシおよびその製造

方法」で、物としての権利を押さえて

おり、以下のようになるんです。

(出願が1998年ですので、権利期間は

あと2年です)

 

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 もう一つの登録実用新案のほうは、実用新案

登録3192559「電動歯ブラシ」というもので、

そのものずばりですね。

 

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  実用新案で登録したのは、早期に短期間で

販売をしようとしているのでしょうか?

(よくわかりません。。。)

 

 新聞広告に書いてあった製造方法の特許

発明は、HPで、「自動化できない繊細な

作業だから職人の技が生きる!」と書かれ

ていますし、特許出願が2014年の4月という

ことを考えると、物の発明での権利が切れ

ても製造方法で権利を押さえ、かつノウハウ

で製品を守ろうとしているのでしょうか?

 

 知財戦略的には、非常に興味があり、是非

聞いてみたいところですが。。。。。