知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

エポック社で3Dエースっていう野球盤を昨年売り出したそうですが、野球盤て、いつ頃発明されたんですか?

 はい、お答え致しましょう。

(てなわけで、「お答えしましょう」

シリーズなわけでして)

 

 エポック社の3Dエースという野球盤は、

投げるボールが宙を舞い、打ったボールも

空を飛ぶそうですが。

(日本おもちゃ大賞2015に選ばれたそう

です。 尚、上の文言は、エポックさんの

CM文言ではなくて、私の勝手な文言です)

 

 昭和時代生まれの方にとって、野球盤は

懐かしいゲームなのでは?

 

 といっても、私は子供のころ田舎に住んで

おり(今でも田舎ですが)、あげくにめちゃ

くちゃ貧乏でしたので、友達が遊んでいるのを、

指をくわえて見ていただけですが。

 

 この前、3Dエースの開発者がテレビに出て

いましたね。

 

 エポックさんの沿革で、野球盤の歴史を

見てみると、エポックさんでは、1958年に

最初に売り出したそうで。

(エポックさんが最初に野球盤を売り出した、

という意味ではなく、エポックさんが売り出し

たのが1958年だ、という意味です)

 

 ということで、野球盤は、これ以前にもあり、

以下のような野球盤が、この前、ヤフオク

出品されていましたよ。

 

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 ヤフオク開始価格は9,000円となって

いましたが、いくらで落札されたのでしょう?

 

 まずは、この高桑商会さんの発明(考案)

から調べてみましょうかね。

 

 高桑商会さんの登録は5件あり、すべて

実用新案となっています。

 

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 ずいぶん古いんですね。

 

 図を抜き出すと以下のようになって

います。

 

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 3Dエースは、投げたボールを浮かせる

仕組みとなっているわけですが、実用新案

公告13678も、ボールを浮かせる仕組みで、

この時代からスリーディーがあったん

ですね。

 

 「昭和の人間を侮ってもらっちゃあ、

いけないよ」、というところでしょうか?

(考案者の方は、明治生まれだと思い

ますが)

 

 上の野球盤の文字は、左から右への

書き順となっていますので、上のものは

戦後に発売されたものかも知れませんが、

「特許新案出願中」となっていますので、

もしかすると、戦前の発売で、英語の書き

順に合わせたのかもしれません。

(最初の出願が昭和2年ですので、最初の

発売は、きっと昭和の初期なんでしょう)

 

 ということで、次は、以下のように、1931

年(昭和6年)製の「実戦野球盤」というのが

あるそうで、「野球模擬室内勝負遊戯具と

して実用新案登録されたという。」となって

いますので、これを調べてみましょう。

 

http://www.zakzak.co.jp/spo/200902/s2009022729_all.html

 

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 さらに、むかーし昔の野球ゲーム盤という

のが何かないかとWEBで探しましたが、戦前

のものなどはヒットしませんでしたので、

それでは、本日のメインである、むかーし昔の

野球盤についての発明(考案)を調べてみま

しょう。

 

 日本での最初の登録特許は明治44年

出願のもので、以下のようになります。

 

・ 特許第20762号

 

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・ 特許20763号

 出願明治44年6月20日

・ 特許21388号 

 出願明治44年5月31日

 上と同じような仕組みで、まだ野球盤の

原型とまでは行っていません。

 

 ということで、明治44年頃、海外から

出願があったのですが、残念ながら、

まだ、現在の野球盤とは程遠く、次の

実用新案出願の大正7年まで、野球

ゲームの登録ははありませんでした。

 

・ 登録実用新案47523号

 

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 なんか、現在の野球盤に近くなってきま

したね。

 

・ 登録実用新案56802号

 出願大正9年12月30日

 登録大正10年5月17日

 「玩具野球盤」

  考案者 清水寛太郎

 

 

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 まだ投球はなかったようです。

 

・ 登録実用新案57809号

 出願大正10年2月14日

 登録大正10年7月5日

 「野球競技盤」

 考案者 田島幸隆

 

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 ボールを指ではじくことにより、

投球するかわりにしたんですね。

 

・ 実用新案出願公告16005号

 出願大正12年5月12日

 公告大正14年6月11日

 「室内用野球遊戯具」

 考案者小柳英次郎

 

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 というように、ばね仕掛けの投球に

つながっていったんですが、これこそ

スリーディー??。

 

 ということで、きりがありませんので、

それでは、エポックさんが1958年に野球

盤を売り出したとのことですので、これを

調べるとともに、その当時の他社の発明

(考案)も調べてみましょう。

(最初の発明から、エポックさんまでには、

ほとんどが個人の方からの登録でしたが、

ここには記載しませんが、企業からの登録も

ありましたので、高桑商会さん等以外からも

野球盤が発売されていたのでは?)

 

 以下はエポックさんの、1960年までの

出願の、実用新案出願公告です。(この当時は、

まだ、エポックさんからの特許出願はありま

せん)

 

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 1958年発売ですので、出願は合いますね。

(昭和32年が1957年です)

 

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 この時代は、以下のように、バンダイさんや、

今をときめく任天堂さん(最近、調子が悪い

ようですが)とかからの登録もありますよ。

 

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 ということでまとめると、明治の頃にも

出願があったようですが、発明や考案が

盛んになったのは、大正時代の中頃当たり

からで、その後、一気に開発が加速され、

いろんな商品が発売されていたのでは?

と思います。

 

 現存するのは、あまりないようですが。

 

 戦後はエポックさんが頑張ったよう

ですね。

 

 ちなみに、戦前の野球盤の登録は、特許、

及び実用新案で250件以上ありますが、

実用新案での登録が、特許に比べ、はるかに

多かったんです。

 

 ちなみにちなみに、USのグーグルで、

野球盤をググっても、カードゲームなどは

出てきますが、野球盤というゲームは出て

来ませんので(日本からの輸入品は出て

きます)、明治の頃、外国からの出願も

ありましたが、野球盤って、日本独特の

ものなのかも?

(USの特許を検索すると、ちょっと今の

野球盤とは違いますが、1870年台からいろ

んな形の野球ゲームが出てきますので、

どんな野球ゲームがあったのか、そのうち

取り上げてみましょう)

 

 以下は、日本の野球の歴史で、ご参考。

 

1872(明治 5)  日本にベースボール伝わる。 

1896(明治29)  野球人気が全国的に。 

1903(明治36)  早慶戦開始。。

1905(明治38)  早大が初の米国遠征。 

1906(明治39)  応援過熱により、早慶戦中止。 

1907(明治40)  慶大が初めて外国チームを招待。 

1915(大正 4)  中等学校野球大会(夏の甲子園)始まる。

1918(大正 7)  少年野球用に軟式ボール発明。 

1924(大正13)  選抜中等学校野球大会(春の甲子園)始まる。

        甲子園完成。 

1925(大正14)  東京六大学始まる。 

1927(昭和 2)  都市対抗始まる。 

         夏の甲子園大会ラジオ実況開始。 

1929(昭和 4)  早慶戦で天覧試合。東京六大学全盛。 

1931(昭和 6)  ルー・ゲーリッグら米大リーグ来日。 

 

 ということで、熊本が大変な時期に、

こんなブログをのんきに書いていて、申し

訳ないのですが、地震、早くおさまって

くれるといいですね・・・・・。