知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

日本ブロアーさんのクールベスト

 すんげ―暑いなーと思っていたら、最近

寒いぐらいですね。

 

 てゆーか、まだまだ暑い地方もあるわけ

でして、今年は、地域差と、日々の寒暖差が

激しいようです。

 

 私も冷え冷えマットというか、冷え冷え

シートというか、敷いて寝ていたのですが、

最近は、とてもじゃないですが、このマット

では寒くて寝られません。

 

 うちのイヌは、冷え冷えマットで気持ち

よさそうに寝ていますが。

 

 ということで、どういう仕組みで涼しい

んでしょうね?

 

 冷え冷えマットではないですが、日本

ブロアーという会社のクールベストと

いう新聞広告が目に止まりましたので、

こちらのほうからどんなもんなのか調べて

みることにしましょうかね。

 

 WEBのほうは以下になります。

 

http://www.coolvest.jp/

 

 説明では、クールベストにはPCM

パックというのが使用されているそうで、

冷凍庫で凍らせる保冷剤ではなくって、

28℃で溶ける特別な相変化材料が

使われているそうです。

 

 28℃より低い温度の場所で保管して、

28℃で溶けるときの潜熱冷却効果を

使うんですね。

 

 PCMパックが溶けきるまでに、3~4

時間効果があるとのことで、気温が

高い場所では外の熱でPCMパックが

溶けないようにする必要があるようです。

 

 PCMパックのほうは、以下のように

なっています。

 

http://www.nipponblower.com/pcm/pcm.html

 

http://v-shop.in/?mode=cate&cbid=21663&csid=1

 

 PCMの略は出ていませんが、相変化材料

と書かれていますので、Phase Change

Materialsの略でしょうかね。

 

 相変化温度も、いろいろあるようです。

 

 冷え冷えシートとはちょっと違うよう

なので、冷え冷えシートの原理を、再度

調べると、以下のようなもので、クール

ベストの原理とは違って、水の気化熱を

応用してるんですね。

 

http://cool-mat.com/coolmat/about_jelmat.html

 

 さらには、中学2年の井上由衣さんと

いう生徒さんが、「冷却シートのヒミツ」と

いう実験をしていますので、ぼんくら王花陣も、

勉強させていただきました。

 

http://www2.dokidoki.ne.jp/jr5bun/h19-rikakenkyu-reikyakushiito.PDF

 

 ご立派。

 

 ということで、暑い時期に、服の中に

小型ファンを組み込んだ製品なども

テレビなどで取り上げられていましたが、

こちらのクールベストのほうがスマートな

感じがしますので、ちょっとこちらのクール

ベストを調べてみましょう。

 

 日本ブロアーさんのHPは以下になり、

昭和の28年創業で、商号は「日本

ブロアー株式会社」、資本金1,000万円、

本社は東京神田、製品のほうは、

冷却機器、送風機器、熱対策機器等だ

そうです。

 

http://www.nipponblower.com/

 

 日本ブロアー工業株式会社というのも

あるそうで、「縁もゆかりもないもん

ねー」と書かれていますね。

            

 さらに、クールベストの紹介を見ると、

スウェーデンで開発されたそうで、

夏だけでなく、精錬所や消防士などの

熱所作業や、シニアなどの体温調節

困難者用に開発されているそうですね。

 

 レーサーなども使用しているようで、

「2005年にワールドビジネスサテライト

紹介されました」、と書かれていますので、

昔からの製品なんですね。

 

 特許や出願公開を見てみると、日本

ブロアーさんからは、特許第4991227号

「相変化蓄熱パック」、三菱製紙さん

からは、特開平7-133479「蓄熱材」、

特開2006-63328「蓄熱材マイクロ

カプセル固形物」、特開2008-74961

「相変化蓄熱パック」などが出ており、

以下のように、相変化材料を使用した

製品では三菱製紙さんが頑張って

いるようです。

 

http://www.print-better.ne.jp/story_memo_view.asp?StoryID=12269

 

http://www.k-mpm.com/t-memory/gel/data2.html

 

 材料としては、上のURLや特開情報に

あるように、多量の結晶水を含む無機

化合物や、脂肪族や芳香族炭化水素

高級脂肪酸や高級アルコール(高級

というのに、高級でないのはこれいかに?

なんちゃって)などを融点によって使い

わけているようです。

 

 ということで、このような相変化を

利用する研究がどんなところでおこ

なわれているのか出願公開で調べると、

「液体から固体またはその逆の状態

変化によるもの」のIPCのC09K5/06では、

公開数1位がパナさん、2位三菱製紙

3位JEFエンジニアリング、4位三菱

化学などなどとなっており、蓄熱材量、

保冷具、保冷剤などに使われている

ようです。

 

 C0955/04の「液体から気体または

その逆の状態変化によるもの」では、

1位ダイキン、2位デュポン、3位パナ、

4位旭硝子、5位三洋電機(現在はパナ

さんですが)などなどで、冷凍装置や、

ヒーポン、空調装置などに使われて

いるようです。

 

 ということで、それではまた。