知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

二十世紀の豫言 その1

 報知新聞の1901年(明治34年です)の

1月2日と3日の2日間にわたって、21世紀が

どうなるのかという記事が書かれています。

(100年後どうなるかの予測ですね)

 

 新聞記事は、WEBでググるとウィキやいろ

んなところでヒットしてきますので見てもらうと

して(新聞のコピー写真も出てくるのですが

字がにじんで読めません)、実は、報知新聞

さんが独自の視点で予言しているような書き方

なのですが、残念ながら報知新聞さんが独自の

視点で書いているんではないんです。

 

 実は実はなのですが、これはアメリカで書か

れた記事を、日本に関係ないものとか取捨選択、

及び追加して、報知新聞さんが発表したようです。

 

 原文記事は下の「What may happen in the next

hundred years」という1900年12月に発行された

記事で、ほとんど同じ内容で、おまけに速度なども

アメリカと同じマイル表示のままになっています。

(明治時代なんだから、1里とかの単位にすれば

少しは良心的だったのでは??? 私がこんな

ことを言ってはまずいですが、もう時効だから

よいでしょう)

 

http://www.personal.psu.edu/staff/t/w/twa101/whatmayhappen.pdf#search='What+may+happen+in+the+next+hundred+years'

 

 今だったら、著作権侵害で大変なことになって

いると思いますが、まだまだ明治時代は他国を

コピーをする文化だったんですね。

 

 100年の月日は隔世の感があるものです。

 

 尚、記事には、1999年にアンゴルモア大王が

やって来るという記載はありませんので、

アンゴルモア大王がやって来ないのが予言

できていたのでしょう??

 

 それはさておき、このアメリカの記事と日本の

記事を見ながら、さらには、昭和20年過ぎの

少年雑誌での予測なども取り入れながら、本日は

書いていってみよーではあーりませんか。

 

(今後、どちらの記事によるのか明確にする

ためにUS記事と日本記事と表現します。

 

 また、日本記事は紙面の制約の関係で、

詳細部分がかなり削除されていますので、

詳しく書かれているUS記事を追加しながら

書いていきましょう)

 

 まずは、鉄道や車などの移動手段です。

 

 US記事では21世紀には鉄道は毎分2マイルの

速度になっており、急行では、時速150マイルに

なっています。ニューヨークーサンフランシスコ

間は一昼夜で走ることができるようになって

います。

 

 車両の形状は葉巻タバコ型になっており、

クーラーなどもついているし、電気を使用

する電車になっているため、ばい煙なども

発生せず、給水のために停車することも

ないそうです。

(これらは、すべて日本記事で同様記事と

なっています。 

 

 日本記事では、ニューヨーク・サンフラン

シスコ間などの表現も一緒になっており、

なんでもあり?のような。 

 

 今後、同様、同様、と書いても仕方が

ないので、同様の場合の記載は省きます)

 

 時速150マイルというのは、時速240キロの

ことですが、当時は超特急とかの表現がありま

せんでしたので、このスピードはかなり前に

達成されましたね。

 

 また葉巻型というのはまさに新幹線の形です。

 

 ニューヨーク・サンフランシスコ間は24時間では

行けませんが、飛行機を使えば行けますので、

まあ、実現できているといっていいでしょう。

 

 現在は電気機関車になっていますので、冷暖房

完備で快適です。(冬の電車など、暑すぎて汗だら

だらということもありますが)

 

 19世紀末には80日間世界一周の旅だった

わけですが、21世紀には7日で世界一周できる

そうで、文明国の男女は、年に一回は海外旅行

しているそうです。

 

 これはすでに実現できていますね。

 

 年に1回なんてもんでもない人も多いのでは?

 

 US記事のほうでは、ニューヨークと英国間

の交通は電気で動かす船になっており2日

で行けることになっています。

 

 さすがに現在でも、船では2日間では行け

ませんが、飛行機で行けますのでよしとしま

しょう。

 

 日本記事では、上記の「船で2日間」というのは

なくて、独自に「船は不便なので、5大陸は鉄道で

つながれている」となっています。

 

 あくまで鉄道に固執しているようで、当時は

飛行機で空を飛ぶというのはとてつもない発想

だったのでしょう。

ライト兄弟が空を飛んだのは、1903年です)

 

 次に車ですが、車は馬より安くなってるんです。

 

 ちなみに、フォードの創業は1903年で、GM

1908年でした。

 

 それ以前は、蒸気機関での自動車や、電気で

走る自動車が盛んに開発されていましたが、

ガソリンエンジンで走る車が開発され、大量に

安く生産できるようになったため、電気自動車

などは淘汰されてしまいました。

 

 今、電気自動車が脚光を浴びていますが、

何のことはない、100年以上前から開発されて

いたんですね。

 

 このような状況を思い浮かべていただいて

予言を見てみると、US記事はより詳しくて、

農家さんも馬に代えて車を使って耕作したり

するようになり、救急車もパトカーも街路

掃除車もぜーんぶ自動車に取って替わると

なっており、かなり前に達成されていますね。

 

 さらに、冬には子供までエンジン付きそりに

乗って遊ぶそうで、まあエンジン付きそりに

乗って遊ぶ子供はあまりいないでしょうが、

雪山用オートモービルは普及しましたね。

 

 動物はどうなっているんでしょう?

 

この前、代々木公園で蚊に刺されて大変な

ことになった人がいました。

 

 予言では、21世紀には蚊とか蚤とかハエ、

ゴキブリ、ねずみなど絶滅しているはずだった

のですが、残念でした。

 

 どうも、さらに100年たっても絶滅していない

のではないでしょうか。

(ゴキブリやねずみなど、我が世の春の

ような???)

 

 最近はエボラウィルスとか得体のしれない

物が出てきて、大変なことになっていますが。

 

 予言によると、野生動物なども、動物園を

除いて姿を消してしまっており、これに反して

家畜などは食用に飼われているそうです。

 

 まあ、大型の野生動物は絶滅の危機に

瀕しているのは「当たり」に近いですが。

 

 犬や猫は絶滅していないそうで、人間と

話ができるようになっているんだそうです。

(これはUS記事にはなくて、日本で付け加え

られたものです)

 

 話ができるというのは、残念ながら、はずれて

しまいました。

(「バウリンガルやミャウリンガルがあるじゃ

ねーか」という声が聞こえてきそうですが。

 

 会話が成立しないのは、人間が、犬とか

猫とかが言っているのを理解できないだけで、

犬とか猫は理解できているようですが??

(そんなわけないか!!))

 

  次は、薔薇!!

 

 なんでバラなんだ?というところですが。

 

 英語で「blue rose」の意味を調べると、不可能

とか、無理な相談という意味が出てくるわけでして、

19世紀末には青いバラ栽培するのは不可能

だったんですね。

 

 ということで、21世紀には、青いバラや、

黒いバラ、はては緑のバラができていると

いう予想がされたんです。

 

 現在では、青いバラは以下のように、

 

http://www.suntory.co.jp/sic/research/s_bluerose/

 

(完全な青ではないような気もしますが?)

 

黒いバラはトルコのほうに咲いており、緑の

バラも以下のように栽培されるようになって

います。

 

http:// http://www.jiji.com/jc/zc?k=201406/2014061800554

  

 US記事では、このほかにランやパンジー、

すみれなども登場し、どんな花も、より取り

見取りの色にできるとなっていますが、

日本記事では、これが、菊や牡丹に入れ

替わっています。

(ほかの花をいろんな色に変えられると

いうのは、当たっているんでしょうか?)

 

 ところで、特許は特許庁+INPITのIPDLで

検索できますが、種苗法という法律で認められる

品種登録はどこで調べられるか知ってます?

 

 実はこの品種登録は、以下の農林水産省

品種登録ホームページで調べることができる

んです。

 

http://www.hinsyu.maff.go.jp/

 

 調べ方は、検索君の「品種登録/出願公表

データ」というところをクリックし、学名や和名で

調べていただいてもいいですし、「出願品種の

名称又はその読み」などで検索していただい

てもかまいません。

 

 ためしにやってみると以下のようになりました。

 

f:id:oukajinsugawa:20141118204456j:plain

 出願日が2013年11月でまだ登録はされて

おらず、榊原康之さんが出願したんですね。

 

 話は違いますが、ポインセチアの赤い花の

ようなものは花ではないんですってね。

 

 つぼみを包んでいた葉っぱなんだそうです。

 

 家人の話では、日に当てないと赤くならない

そうで、「今年は日に当ててないので緑のまま

だ」と言っていました。

 

 ということで、長くなってしまいましたので、

この続きはそのうちまた書くと致しましょう。