知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

日本製紙さんのメタボ抑制サンルージュ

 日経産業新聞20161118日付けで、

日本製紙がメタボ抑制の高機能茶を17

発売」、というのが載っています。

 

 電子版の記事は、 「日本製紙2017年、

メタボリック症候群(メタボ)抑制の効果を訴求

するお茶「サンルージュ」を発売する。このほど

人に効果があると確認、同年春に機能性表示

食品として消費者庁に届け出る。さらに今月

20日には認知症にもプラス効果が認められる

として、学会で発表する。森林技術をもとにした

新しい素材事業として育てる。」となっており、

サンルージュの赤い色素の「アントシアニン」と

緑茶特有のカテキン成分との相乗効果に

よって、でんぷんが糖に分解されるのを防ぎ、

メタボ抑制になるんだそうです。

 

 なるほど日本製紙さんのサンルージュという

のに、以下のように載っていますね。

 

赤いお茶サンルージュ

 

 新聞では、メタボと認知症対策の2つが

載っていますが、上のURLではそのほかに、

眼精疲労、抗ストレス、抗疲労、肝機能保護

なども載っています。

 

 以下のように現在、開発段階だと書かれて

いますので、販売の目途が立ったのでしょう。

 

http://www.nipponpapergroup.com/about/future/agri/

 

 サンルージュの品種登録を調べると、以下の

ように、つくばの農研機構と、日本製紙から

登録されています。

 

http://www.hinsyu.maff.go.jp/vips/CMM/apCMM112.aspx?TOUROKU_NO=21262&LANGUAGE=Japanese

 

 日本製紙HPでは論文タイトルなども

載っていますが、私のほうでは、特許出願を

調べてみましょう。

 

 そうすると、再表2014/065369「茶葉抽出物」

というのがあり、以下のようになっています。

 

【要約】

  本発明は、安定性の高いアントシアニン

豊富に含み、かつ、嗜好性の優れた茶葉抽出

物を提供することを目的とする。すなわち本

発明は、茶葉抽出物の乾燥重量に対してデル

フィニジンまたはその配糖体0.13重量%以上と

カテキン類23.0重量%以下とを含む茶葉抽出物、

茶葉を茶葉乾燥重量の10倍量以上の水を用いて、

温度70℃~95℃、時間5分~60分の条件で

抽出する前記茶葉抽出物の製造方法、前記茶葉

抽出物又は前記組成物を含む飲食品および

その用途を提供する。

 

 背景技術は、以下だそうですよ。

 

【0002】

  アントシアニンは植物体に含まれる赤の

色素であり、抗酸化性、ロドプシンの再合成

促進作用、コラーゲン合成促進作用、毛細血管

保護及び強化作用等の機能性を持つことが

知られている。しかし、アントシアニンは、熱

および光に不安定であることが知られており、

光分解又は空気酸化によるアントシアニン

分解、変色および褪色が問題となっていた。

例えば、カシス、ブルーベリーなどに含まれる

アントシアニンは不安定であることが明らかに

なっている。

 

【0003】

  一方、茶葉抽出物に含まれるカテキン類は、

抗酸化作用、脂質改善作用などの生理効果が

注目されてきている。しかし、高濃度にカテキン

類を含む茶葉抽出物は苦味および渋味が強く

なるため、カテキン類を含有しながら苦味およ

び渋味を低下させようとする技術が望まれて

いる。

 

 ということで、前記の茶葉抽出物に至った

そうで、来年、忘れていなかったら、私も

試しに飲んでみることに致しましょう。