知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

船のプロペラとナカシマメディカル人工関節の関係

 IPDLってなくなっちゃうんですってね。

 

 寂しい限りです。

 

 毎日毎日お世話になっていたのに、

まったく知りませんでした。

 

 なぜ知ったのかというと、親切にも教えて

くれた人がいたからです。

 

 毎日お世話になっていたのに、まったく

知らずに恩を仇で返して、IPDLさん、

ごめんなさい。

 

 てゆーか、何にも返してないし。

 

 気を取り直してINPITというところの

情報を見てみると、以下のようになって

いました。

 

http://www.inpit.go.jp/info/j_platpat_info/oshirase/oshirase00001.html

 

 一番下のほうに、3月20日をもって

IPDLのサービスが停止されると書いて

ありました。

 

 老兵は去るのみ、新しく、きゃぴきゃぴ、

ぴちぴちのキャリーぱみゅぱみゅ、別の名

は竹村桐子さんが来るんですね。

(ちょっと違って、ブラッドピットに置き

換わるんですね。

 

 ・・・えっ、またまた違うって?

 

 よく見るとブラッドピットではなく

プラットパット、すなわち、J-PlatPat

ですね)

 

  以下のように、中韓特許関係の日本語

検索も試験運用が始まりましたし、いろ

いろ変わっていくんですね。

 

http://www.meti.go.jp/press/2014/11/20141112003/20141112003.html

 

 ということで、気を取り直して、今日も

IPDLを使っていきましょう。

 

 この前、テレビで、「巨大プロペラが人工

関節に!高齢者を幸せにする職人技術」と

いうのをやっていました。

 

 これは、ナカシマメディカル株式会社という

ところを取り上げていたのですが、HPは

以下となり、設立2008年、資本金1億円、

従業員数175名という若い会社です。

 

http://www.medical.nakashima.co.jp/

 

 といっても、この会社は、ナカシマプロペラ

株式会社という創業1926年、船のスクリュー

製造ではプロペラ受注総重量で世界最大の

スクリュー会社から分離した会社で、人工

関節などを開発している会社です。

(以下は親会社です)

 

http://www.nakashima.co.jp/

 

 なぜプロペラが人工関節と関係あるんだ

というところなのですが、プロペラの仕上げの

工程では、研磨をすることで余分な渦の発生を

防ぎ、コンテナ船の燃費削減に繋がるんだそうで、

作業員の手作業でスクリューを磨き上げており、

この作業が人工関節の作製にも生かされて

いるんだそうです。

 

 ナカシマメディカルさんでは6種類の

人口関節を製造しており、人工膝関節は

ナカシマさん独自の技術が使われている

んだそうですね。

 

 人工関節は、まずは材料として金属アレルギー

を起こしにくいコバルトクロム合金などにより鋳造

され、最終工程ではすべて手作業で磨き上げ

られるそうです。

 

 我々の太ももと脛の骨の間にある軟骨は

クッションの役割を果たしていますが、年と

ともにすり減って、膝の痛みにつながる

ようですね。

 

(この対策としてグルコサミンとかコンドロ

イチンなどのCMが流れていますね。

(WEBを見ると、このような健康食品は

全然効かない、という論評も見られますが))

 

 話を戻して、人口関節がすり減らないように

するのに、表面は可能な限り滑らかにすることが

重要で、ナカシマメディカルさん、いーい、磨きの

技術があるそうです。

 

 ナカシマさんでは、年間約2300個の人口膝

関節を製造しているそうで、膝の痛みを抱えて

いる人は全国で1800万人!!もいるんだそう

です。

 

 どうやって調べたんでしょう?

 

 本当なのでしょうか?

 

 ・・・膝関節のスペシャリストでないのでよく

わかりません。

 

 人工関節の日本国内市場シェアは、

欧米製が78.5%と圧倒的だそうで、欧米に

留学した医師が学んだ際に使った人工関節を

使い続ける人が多いと紹介していました。

 

 このため、ナカシマさんの社長さんによると、

患者さんが違うメーカーの人口関節を使って

いる病院の医師にナカシマメディカル製のを

使ってほしいとお願いしても難しいと話して

いました。

(一方的な話なので、いろいろ言い分はある

のでしょうが)

 

 当初、 造船不況のときに、人工関節も

いけるのではということで取り組み始めた

ときには、病院側から、医療器具として

絶対的な安全性が無い限り使わないと

言われて、当時の欧米製シェアが9割を

占めていたのだそうです。

 

 現在は、ナカシマさんの人工関節の

寿命は30年に伸びたんだそうですね。

 

 「寿命があるんだね」と思ったのですが、

まあ、私が人工関節を入れてもらうように

なる年では、私の寿命のほうが早いで

しょうから、問題ないのでしょう。

 

 ということで、ここでIPDLさんにお世話に

なることとして、ナカシマメディカルさんの

特許出願を調べると、 2008年に会社が

分離されたので2010年公開からで、出願が

28件となっていました。

(これ以前は親会社のナカシマさんのほうで、

人工関節関係が出願されていましたね)

 

 人工関節関係のIPCはA61F2/38という

もので、肘または膝のためのものとなって

いました。 

 

 A61が医療関係の分類で、A61Fが人体に

埋め込むものだそうで、人工乳房や、心臓弁

など、かなり詳しく分れています。

 

 ためしに、A61F2/38で検索してみると、デビュイ

というアイルランドのメーカーが多いんですね。

(京セラさんも上位でした)

 

 番組では、製造業からみた「医療参入の

壁」について触れられており、中小企業の

参入の割合が低いのは、認可とか薬事法

問題が大きいと言っていました。

 

 (池井戸潤さんの「民王」という小説では、

海外からの新薬が入ってくるのを阻止する

ために、政府第一党や厚生労働省の役人が、

国内製薬メーカーの便宜をはかり、新薬

承認にちゃちゃを入れているという話に

なっていましたね)

 

 いろいろ、このブログでも、医療関係を

取り上げていますが、まだまだいろんな

ハードルがあるようです。

 

 

 

2015年2月26日追記:

 ナカシマメディカルさんと帝人さんが

新しい会社を興すそうですね。

http://www.teijin.co.jp/news/jbd150223.pdf