知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

半導体と日本酒の関係?

  特許庁から「知的財産権活用企業事例集

 2014」というのが先月出ました。

  

http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/torikumi/chushou/kigyou_jireii2014.htm

  

 このシリーズは、名前が違えど毎年のように 

出ています。 以下をクリックすると、下の 

方に地域・中小企業への支援策というのが 

出て来て、いろいろ頑張っている中小

企業が出て来ますので、参考になります。

  

http://www.jpo.go.jp/index/shisaku.html

 

 この冊子は「知恵と知財でがんばる中小

企業」という副題がついていますが、その 

名の通り、知財関係で頑張っている企業が 

取り上げられています。

  

 今回はこの中から少しだけ紹介しようと 

思います。

  

 業種としては、

 

食品・飲料 P2から 

健康食品・医薬品 P22から 

建築・建設・土木 P38から 

建築建設関連製品・同用具 P54から 

金型・プレス加工・工業部品 P86から 

化学・プラスチック・材料 P108から

農業機械・食品機械 P136から

産業機械・環境関連機器 P162から 

医療機器・医療用具・介護用品 P202から 

製造装置・検査装置 P220から 

IT・電気機器。電子機器・分析機器 P242から 

生活文化用品 P274から

  

と分かれていますので、皆さんのほうでは、 

興味のある、又は関係する分野を拾い読み 

してください。

  

 それでは、中身を見てみましょう。

  

 まずは、出ました「久保田」!!

 

 知る人ぞ知る、知らない人は知らない、

日本酒好きなら絶対知っている「久保田」が 

取り上げられています。

 

 久保田さんが作っているのかと思って 

いましたが、違うんです。

  

 知りませんでした。

  

 朝日酒造さんごめんなさい。

 

 私が謝っても酒屋さんは何の得にもなら 

ないでしょうが、この企業は新潟県長岡市

あるそうで、社長さんも細田さんという方で 

久保田さんではありませんでした。

  

 「久保田」というのは、創業時の屋号から

名づけられたのだそうで、酒販店に直送する 

契約方式を採用し、「久保田式」ともいわれて

いるそうです。

 

 販売方針に賛同できる販売店を厳選し、品質 

管理など販売方針に合意した小売店を通じて

のみ限定販売戦略を採ったそうです。

  

 限定の店でしか扱えないので、直接取引を

希望する酒販店は予想を大幅に上回り、 

あくまで口コミで名前を広める戦略で直接 

消費者に名前を伝えてもらえるようにした 

そうです。

 

 お酒については、このほかに秋田銘醸株式 

会社も取り上げられており、「爛漫」は有名 

ですね。 こちらは秋田県の湯沢にあります。

  

 生活文化用品でもありました、

  

アイリスオーヤマ」 

タニタ

  

有名ですね。

 

 アイリスオーヤマのほうは、中国での営業

強化と模倣品対策、特許情報の有効活用 

などが取り上げられています。

  

 タニタのほうは、言わずと知れた「体脂肪計」 

や「タニタ食堂」などが取り上げられており、

やはり中国での模倣品対策や、ハウスネームの 

ブランド化に向けた取り組みなどが紹介 

されています。

  

 またアッシュコンセプト株式会社というのも 

取り上げられており、何の会社かなと思って 

覗いてみたら、あの「アニマルラバーバンド」の 

会社でした。

  

 ということで、少し取り上げてみましたが、 

先程のお酒の話に戻って、平成8年 6

1日に遠刈田温泉ラフォーレ蔵王での、 

酔香会という会で宮本信雄さんという方が 

半導体と日本酒」という題で、話をされて 

います。

  

 この方は半導体関係の権威で、電気通信 

研究所長、東北大学東北学院大学教授などを 

された方で、相手に合わせて日本酒の銘柄を 

推薦するという日本酒ソムリエだそうです。

  

 半導体と日本酒がどう関係するんだ?という 

ことですが、半導体の結晶(純度)と酒の精白度 

は同じような考え方で、これがお酒の味を左右

する第一条件 だそうです、

 

 二番目は、仕込みに関連し、半導体は純水の 

純度、お酒は原料水の質に関係するそうです。

  

 三つ目に、半導体では製造上の温度

プロセスが 大変重要で、酒の仕込みにおいても

仕込みの温度管理がお酒のでき方、できた後の

味わい などにおおいに影響するそうです。

 

 これらの話を、さすが学者先生で、いろいろな 

化学成分、グラフ、電子顕微鏡写真、米の銘柄表 

などを使用し説明しています。

 

 私はこの資料を持っているのですが、残念

ながら WEBには出ていません。

 

 酒恐るべし。

 

 沢山飲んであげましょう!!