知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

法律用語は難しい?

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 突然ですが、私はプロフィールにある

ように弁理士です。 

 

 他の弁理士の方々が法律の話や日常の

弁理士業の話を書いていますので、私の

ブログでは弁理士業の話はほとんど

致しません。

(「致しません」というのは、TV

DoctorXでの決めぜりふですね)

 

 まあ、そうは言っても、少しは関係

する話もしたほうが良いですので、本日は、

法律に使われる言葉の話をしてみたいと

思います。

 

 普通に会話をする場合には、言葉を

厳密に分けて話をしたりはしていません。

 

 しかし、法律条文は、あらぬ誤解、

法律解釈の違いがあってはいけません

ので、使われる言葉は、一義的に決め

られています。

(まあ、そうはいってもなかなかうまく

いかなくて、法解釈についての学説や

判例といった別の世界が存在するわけ

です)

 

 ということで、まずは、「及びと並びに」、

「若しくはと又は」の違いです。

 

 これらの言葉は普通に使われており、

通常はごっちゃに使われています。

 

 「及び」と「並びに」は英語では

and」という全く同じ言葉になります。

 

 しかし、法律の世界では。「及び」の

ほうは小さいくくり、「並びに」のほうは

大きなくくりに用いられます。 

 

 この「及び」と「並びに」というセット

で出てくるのは、特許法では14条を

最初として、数限りなく出て来ます。

(条文は長いので記載しません)

 

 次に「若しくは」と「又は」ですが、

こちらのほうも「若しくは」は小さい

くくりのほうに用いられ、「又は」は

大きなくくりのほうに用いられます。 

 

 こちらのほうも特許法では17条などに

出て来ます。

 

 単純な文章の場合には問題ないのですが、

「及び」「並びに」、「若しくは」「又は」

などが一つの文章で何度も出てくると、

こんがらがってしまいますので気をつけ

ましょう。

 

 次に、「乃至(ないし)」です。

 

 普通、「ないし」というと、「または」と

いう意味で使われます。

 

 この言葉は、特、実、意、商の条文の中

には出て来ませんが、出願明細書や、

請求項といったものの中によく出て

来ます。

 

 この場合には、「~から~まで」という意

味で使われていますので注意しましょう。

  

 次は「~その他~」という文言と

「~その他の~」の違いです。

 

 「その他」というのは、条文の中に

沢山出て来ますが、「その他の」という

のも、弁理士さんが受験時代に暗記させ

られた商標法の50条という有名な条文を

筆頭に沢山出て来ます。

 

 こちらのほうの「その他の」というのは、

後ろの言葉が前の言葉を包含する意味に

なります。

 

 「以前と前」「以後と後」の違いは、

通常会話でも分けて話されているのでは

ないかと思いますが、条文でも厳密に

分けられています。 

 

 こちらのほうは、知財業界では知らない

人はいない特許の要件29条という条文に、

「出願前」などとして出て来ます。

 

 ということで、今日は日曜なので知財

トリビア、言葉の意味を取り上げてみました。

 

以下、次回へ