知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

病院に行かずにスマホで対面診療、ポケットドクター技術

 この前、病院に行かなくても診療を受ける

ことができる、「ポケットドクター」という

のをやっていました。

 

 ポケットドクターの商標登録を調べると、

以下の二つがありました。

 

・ 登録4606163

 権利者:MEIJI SEIKAファルマ株式会社

 指定商品:薬剤

 

・ 登録5879484

 権利者:MRT株式会社・株式会社オプティム

 指定商品はなく、指定役務はたくさんあり

ますが、医師・看護師・臨床検査技師・放射

線技師・臨床工学技士・医療技術者・薬剤

師の紹介,その他の人材の紹介、あっせん、

等々。

 

 テレビで紹介していたのは、「病院の待ち

時間はイライラものですが、自宅から、スマホ

アプリで画面上でお医者様に診断してもらう、

というアプリができている。」という登録

5879484でした。

 

 スマホ上の患部に印をつけることができる、

赤ペン機能があり、テレビ電話にはない技術

なんだそうですね。

 

 このアプリ、「ポケットドクター」をWEBで

調べると、以下のように、ありますね。

 

スマホで診療・健康相談 ポケットドクター(ポケドク)

 

 テレビによると、患者が、登録された病院に

予約すると、指定した時間にお医者様から電話が

かかって来て、診療を受けることができるんだ

そうです。

 

 初診は病院での診療が必要だそうですが、

保険が適用され、診察料はクレジットカード

などでも決済可能で、処方箋は郵送されて

来るそうです。

 

 テレビで紹介していた便利な点は、手術後の

患者が、自宅でその後の診断を受けられたり、

過疎地の患者や、遠く海外で言葉の問題で

診療を受けることが難しい人が、日本のお医者

様から診断を受けることができたりすることだ

そうです。(保険診療外のものもあるそうですが)

 

 逆に、テレビで紹介していたのは、「参加した

くない」というお医者様も結構おり(医師専用

コミュニティサイトMedPeer調査結果では

約半数が参画したいと思わないと回答)、その

理由は、患者を直接診ることができない不安や、

患者との関係が、別の医師に崩されることの

懸念、診療報酬が減ってしまうこと、などが

あるそうです。

(テレビで紹介していたのは、対面診療の

場合、診療報酬4,170円のところ、遠隔診療の

場合、外来管理加算と特定疾患療養管理料が

0になってしまうため、診療報酬が1,400円に

なってしまうと言っていました。)

 

MedPeerはこちら

https://medpeer.co.jp/

 

MedPeer調査結果はこちら

医師の半数、遠隔医療に消極的? | イシコメ

 

 ということで、このアプリを開発したのは、

先ほどの商標登録者のMRT株式会社、

印をつける技術は共同権利者の株式会社

オプティムさんのものだそうです。

 

https://medrt.co.jp/service/index.html

 

 MRTさんは、本社が渋谷区、設立2000年、

資本金4億2,501万円、2017年3月期の

決算説明会資料によると、売上高1.159

百万円、前年比115.7%、経常126百万円

だそうです。

 

 株式会社オプティムさんは、本社豊島区、

設立1999年、資本金1,000万円、従業員数

20名、事業内容は、各種ソフトウェアの受託

開発、ネットワークシステムの構築・運用・

保守、サーバーの構築・運用・保守、オペ

レーション・ヘルプデスク業務、OA事務

サポート業務、など、となっています。

 

http://optim-net.jp/

 

 MRTさんからは4件の特許出願があり、この

技術に関係するものは、以下のようになって

います。

 

・ 特開2017-010152「情報処理装置及び方法、

並びにプログラム」

 

【課題】

 ユーザにとって適切な医師に対して、各種

各様な医療相談を医療機関に赴くことなく

手軽にユーザが行えること。

 

【解決手段】

 医師の属性情報が格納された医師情報DB

61と、当該医師による過去の医療相談ログ

情報が格納されたカウンセリング結果DB62

とが対応付けて管理されている。医師リスト

提示部51は、所定のユーザ端末2に対して、

複数の医師の夫々の属性情報を提示し、

複数の医師のうち、当該ユーザにより選択

された医療相談の候補医師については、

当該候補医師の医療相談ログ情報を提示

する。カウンセリング支援部53は、1以上の

候補医師の中からユーザにより選択された

医療相談の担当医師に対する、ユーザの

医療相談を支援する制御を実行する。

カウンセリング結果記録制御部54は、担当

医師による医療相談の内容を、当該担当

医師の前記医療相談ログ情報として生成し、

カウンセリング結果DB62に格納させる。

 

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 オプティムさんの赤ペン機能は、特許

5216535「ナレッジ情報蓄積管理システム、

サーバ、オペレータ端末、およびサポート

情報管理方法」や特開2016-046741「リモー

トコントロールシステム及び、リモートコント

ロール方法」などがありますよ。

 

【0035】

  オペレータによって行われるリモート操作に

より、たとえば、ユーザ端末30の表示部に

表示されたWEBブラウザのウインドウの一部を

ポインタで指示したり(指差し機能)、赤い

ラインで囲んだり(赤ペン機能)することが

できる。

 

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 簡単な診療だったら、病院に行かなくても

よいのは、非常に便利ですね。