知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

災害時、ガの触角で、ヒト探し

 蚊って人間が出す、におい+CO2に寄って

来るとかの話があります。

 

 このメカニズムを、何かの発明に応用でき

ないものでしょうか。

 

 ということで、このブログでは、生物を

模倣していろんな発明に応用するバイオミメ

ティクスの話をいろいろ取り上げていますが、

今回は、ガの触角を応用し、におい検知に

役立てる話です。

 

 東大の神崎亮平教授らは、カイコガの触角を

においセンサーとして載せた2輪操行の小さな

箱型ロボットを開発し、空気中のにおいを効率

よくたどって、においの発生源(すなわちヒトの

においを検知するんですね)にたどり着ける

ような災害時に役立つ技術の開発をおこなって

います。(と日経産業新聞に出ていました)

 

 神崎先生は、このにおいセンサーについて、

特許出願をしていますので、どんな発明なのか、

ちょっと覗いてみましょう。

 

 発明の名称は、「化学物質検出センサおよび

化学物質検出方法」、特開2012-78351という

もので、以下のようになっています。

 

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【課題】

 高感度であり、小型であり、かつ安価な化学

物質検出センサおよび化学物質検出方法を

提供する。

 

【解決手段】

 本発明の一の態様によれば、カイコガ性

フェロモン受容体以外の昆虫の嗅覚受容体

タンパク質をコードする遺伝子が導入され、

ボンビコール受容細胞で前記遺伝子を発現

するトランスジェニックカイコガ2を備えることを

特徴とする、特定の化学物質を検出するための

化学物質検出センサ1が提供される。

 

 ということで、ボンビーガールの話か?と

いうとちょっと違って、ボンビコール受容

細胞っていうのがあるようです。

 

 請求項などを読むと、どうも、生物模倣の

バイオミメティクスではなくて、カイコガその

ものを利用するようで、請求項の4では

以下のようになっています。

 

【請求項4】

 前記検知部が、前記トランスジェニック

カイコガを吊下げる吊下部材と、前記吊下

部材で吊下げられた前記トランスジェニック

カイコガの足に接触し、かつ回転可能に設置

された球と、前記球の動きを検知する動体

センサとを備える、請求項2に記載の化学

物質検出センサ。

 

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 新聞によると、神崎先生、これを応用し、

ガの触角を搭載したドローンなども考えて

いるようで、地震などで倒壊した、残骸や

破片で崩れそうな家屋などで、人間が

作業するには危険な場所で、人を見つけて

くれるような装置ができるといいですね。