知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

転ばなイス

 フランスベッドさんで、「転ばなイス」と

いう、車椅子のテレビコマーシャルを流して

いますね。

 

http://www.francebed.co.jp/medical/news/detail.php?id=297

 

   超低床ベッドなどのCMもありますが。

 

 「転ばなイス」は、商願2016年2月

1日、指定商品「車いす」として、商標

登録5860734号となっていますので、

車椅子に、「転ばなイス」の名前を

つけるのは、やめることに致しましょう。

 

 上のURLを覗くと、ふいに立ち上がっ

ても自動ブレーキがかかり、誤って足置き

の上に立ち上がっても自動ブレーキが

かかるそうで、しりもちをついたり、前

のめりに転ぶことがないそうで。

 

 フランスベッドさんでからは、何件か

車椅子の出願や、登録がありますので、

どんな特許なのか見てみることに

致しましょう。

 

 フランスベッドさんの車いすの発明の

中でも、出願が2011年の特許5453360号

「ブレーキ付き車椅子」というものと、

公開日が2016年8月12日と、公開ほや

ほやの、特開2016-144621「椅子」と

いうものがあるのですが、公開ほやほやの

発明が、この、「転ばなイス」の技術を

構成しているものと思われますので、

ほやほやの公開文献を、見てみましょう。

 

【課題】

 この発明は座部に着座した利用者が安定性

よく楽に立ち上がることができる椅子を提供

することにある。

 

【解決手段】

 車体2の上面側に配置される座部32と、

車体の前面側に設けられる第1のリンク

機構12と、第1のリンク機構に連結されて

車体の前面側で上昇位置と接地位置との

間で垂直方向に上下動可能に設けられた

フットレスト18を具備する。

 

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 どんな機構になっているかというと、

座ると、重さにより機械的にブレーキが

解除され、立ち上がろうとすると、座部が

上昇するのでやはり機械的にブレーキが

かかるというもので、さらに、上のように

フットレストに足をかけた状態で立ち

上がろうとすると、やはり機械的に

ブレーキがかかり、さらに、フットレストは、

垂直に下降する仕組みになっているん

ですね。

 

 電気的なブレーキかと思っていたの

ですが、機械的なものだったんですね。

 

 ブレーキ機構は座部とフットレスト

連動しており、説明図は以下となるんです。

 

 

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 ちなみに、フランスベッドさんの正式

名称は、「フランスベッド株式会社」、

当初は双葉製作所という名前だったの

ですが、1956年に分割式ソファベッドを

開発発売し、「フランスベッド」を商標と

して使用し始めたため、1961年に、商号

変更したんです。

 

 一番古い「フランスベッド」の商標登録は、

登録日が1969年7月10日の以下の2つに

なっており、使い始めの頃は、まだ商標登録

してなかったんですね。

 

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 本社は新宿、本店が東京都昭島市、設立が

1946年、資本金56億450万円、従業員数

1,361名、事業内容は、ベッド、家具類、寝装品、

健康機器、療養ベッド・福祉用具・リネン等の

製造・仕入、レンタル・小売及び卸売、となって

おり、フランスベッドさんは、今はやりの持株

会社となっており、持株会社のほうは、「フランス

ベッドホールディングス株式会社」、資本金

30億円、連結従業員数1,510名で、グループ

全体の売り上げは、52,644百万円、セグメント

情報を貼り付けさせてもらうと、以下のように

なっています。

 

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 お年寄りは、ちょっと転んだだけで

骨折したりして、これが原因で寝たきり

になることが多いですので、転ばない

ようにできるといいですね。

(てゆーか、私も、早晩、使わなくては

ならなくなるでしょうから、安くていい

ものを、どんどん開発してほしいものです)