知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

三菱鉛筆さんのユニボールエア

 昨年(2015年)の11月に、「uni-

ball AIR」という、書き方や筆圧によって、

線の太さを変えることができるボール

ペンが発売されていますね。

 

『ユニボール エア』|2015年|プレスリリース|三菱鉛筆株式会社

 

 値段は200円だそうで。

 

 私は使ったことがないのですが、ネットに

出ている使ったことがある方の感想を見る

と、線に強弱をつけられたりするのが良い

点で、インクの滲み、裏写りなどが気になる

点だそうです。

 

 皆さんは、もう使いましたか?

 

 ということで、このブログは、「使用時の

感想を書いてみよう」、というブログでは

ありませんので、早速どんな特許出願に

なっているのかを調べてみましょう。

 

 三菱鉛筆さんの、1本のボールペンで

線の太さを変えるという発明は、最近は、

以下のように5件出ており、最初の2件は

審査中で、後の3件は、まだ審査請求が

されていないようです。

 

f:id:oukajinsugawa:20160401105120j:plain

 

 ひとつひとつ見て行くと、以下のように

なるんです。

 

・ 特開2013-252654

 

f:id:oukajinsugawa:20160401105133j:plain

 

【課題】

簡易な構造で、筆記時に特別な操作をする

ことなく、1つの筆記先端で異なる太さの

描線を筆記可能なボールペンを提供する。

 

【解決手段】

筆記ボール30を保持するホルダー21の

外周を覆うアウター50は、ホルダー21の

カシメ部23に達するまでの部分を覆い、

かつ筆記ボール30と同時に筆記面に接触

可能なアウター先端部51を有し、筆記ボール

30とアウター先端部51が同時に筆記面に

接触した状態で、筆記ボール30と筆記面の

接触部と、アウター先端部51と筆記面の

接触部との間に拡散可能な粘度のインクが

用いられる。

 

・ 特開2013-252655

 

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【課題】

筆記ボールとホルダーとの最適な位置関係を

保持しつつ、2つの筆記部によって単一の筆記

ボールで異なる太さの描線を筆記可能なボール

ペンを提供する。

 

【解決手段】

アウター50とホルダー21との相対的位置を

、アウター50の先端部がカシメ部23に達する

までの部分を覆うホルダー没入位置と、アウター

50の先端部がホルダー没入位置よりも後方側

となるホルダー突出位置とに変位させることが

でき、アウター50とホルダー21との相対的位置

が、ホルダー没入位置となった場合には、筆記

ボール30とアウター50の先端部が同時に筆記

面に接触可能となる。

 

・ 特開2015-74128

 

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【課題】

簡易な構造で、筆記時に特別な操作を

することなく、1つの筆記先端で異なる

太さの描線を筆記可能なボールペンを

提供する。

 

【解決手段】

筆記ボール30と、先端をかしめたカシメ部

23により前記筆記ボール30を保持する

ホルダー21と、前記ホルダー21にインクを

供給するインク供給部40と、前記インク供給

部40を内部に収納する軸筒10と、前記軸筒

10の先端部を構成する先軸部12と、前記先

軸部12の先端に固定され、かつ、前記ホル

ダー21の外周を覆うアウター50とを備え、

前記アウター50には、前記先軸部12の先端

に圧入固定される固定部50aと、前記固定部

50aより先端側を占める露出部50bと、が

設けられ、前記固定部50aの内側には環状の

溝部50cが設けられ、前記露出部50bは

、前記溝部50cの空間の分だけ側方に撓む

ことが可能に形成されていることを特徴と

するボールペン1。

 

・ 特開2015-112730

 

f:id:oukajinsugawa:20160401105229j:plain

 

【課題】

筆記の際の力の入れ具合によって、ペン先

部の撓み量が変化でき、がたつきの生ずる

ことのなく、安定した筆感を得ることが可能な

ボールペンの提供、及び、筆記の際の力の

入れ具合によって、顕著に描線の太さを

変えることを可能とすべく、ボールペン先端の

角度によって、1つの筆記先端で異なる太さの

描線を筆記することを可能とするボールペンの

提供。

 

【解決手段】

筆記ボール30と、先端をかしめたカシメ部

23により筆記ボール30を保持するホルダー

21と、ホルダー21にインクを供給するインク

供給部40と、インク供給部40を内部に収納

する軸本体11と、軸本体11の先端部に

連設し、かつ、筆記時にホルダーが突出する

先軸12とを備え、先軸12には、軸心に対して

放射状に複数のスリット17が形成されている

ことを特徴とする。

 

・ 特開2015-112731

 この発明は、上の発明の変形と言える、

双子ちゃん??発明ですので、図面だけを

貼り付けると以下のようになりますよ。

 

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 発明のキモは、力を入れた時に、いかに、

がたつきを抑えて、ペン先の撓み量を制御

し、いかにインク漏れを防ぐかということ

なんですね。

 

 そーでしたか。。。。。。

 

 ということで。