知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

マグロの一本釣りと自動イカ釣り機

 年末に、巨大マグロを釣り上げる、

という番組をやっていました。

 

 まあ、巨大マグロを釣り上げるという

番組は年末の定番中の定番で、普通は

松方弘樹さんや梅宮アンナさんのお父

様が出てくるわけですが、今回は

本物の漁師さんのマグロ釣りでしたね。

 

 テレビ番組では漁師さんが時化のとき

とかも漁に出かけたりして、奥さんや家族

は心配で仕方がないのでは。

 

 ということで、本日は漁船の装備の

話です。

 

 漁船もいろいろハイテク化されている

わけですが、巨大マグロ釣りの番組の

中で、マグロ釣り用の一本釣り用巻き

上げ機がハイテクになっているという

話をしていました。

 

 このハイテク巻き上げ機は、同じテレビ

局の違う番組でも特集が組まれており、

ひとつのネタで2度おいしい??という

ものでした。

 

 このハイテク巻き上げ機を作っている

のが「株式会社東和電機製作所」という

函館にある会社なのですが、HPは以下

のように、資本金9900万円、従業員数

52名という企業です。

 

http://www.towa-denki.co.jp/

 

 このマグロ一本釣り用巻き上げ機と

いうのがどんなものかというと、マグロが

釣り針にかかった後の糸を引く力を検知

して、人間がおこなうように、モーターの

引く力の強弱をコンピューター制御する

というものなんだそうです。

 

 ホームページにあるピンクの一本釣り機

というのがこの機械だそうです。

 

 この企業のもう一つの目玉が、自動イカ

釣り機というもので、糸を巻き上げる際に、

ロボットに不規則な動きをさせることで、

疑似餌を生きた小魚のように見せることが

できるというものだそうで、世界シェアが

7割に達するそうです。

 

 この自動イカ釣り機は世界15か国・地域に

輸出されていると言っていました。

(ホームページを見ると、現在のイカ釣り機

メーカーは世界で3社しかないようで、ニッチ

なところでとんがっている企業というのは

強いんですね)

 

 ということで、お約束の東和電機製作所

さんの特許出願を見てみましょう。

 

 出願公開を検索すると61件でしたので

数が少ないのですべてを貼り付けておき

ます。

 

f:id:oukajinsugawa:20150104192234j:plain

 

 関係ある項目ごとに、色付けしておき

ましたが、大きくは、自動イカ釣り機、

マグロなどの一本釣り用自動釣り機、

集魚灯、その他諸々に分類できるよう

です。(なぜか、表の字が明瞭でなく

なってしまいました。 ごめんなさい)

 

 イカ釣り機と、一本釣り機は説明しま

したが、このメーカーさんのもう一つの

売りはLEDを使った集魚装置なんだそう

です。

 

 集魚灯を使ったサンマ漁船は発電のために

重油を使っているそうで、LEDを使うこと

により重油使用量を格段に減らすことが

できるので、全国のサンマ漁船の7割が

LEDに切り替えているそうです。

 

 ノーベル賞はこんなところにも役立って

いたんですね。

 

 残念ながら、イカ用のLED開発は難航

しているそうで、LEDの波長や色に対して

イカの感度が鋭く、イカなのに、なかなか

うまく、「イカない」そうです。

 (座布団一枚もらえますか?)

 

 このため、かの「日亜化学工業」さんと

ともに共同開発を進めているそうです。

 

日亜化学さんはカラーテレビ用の蛍光体

を製造していた1999年は、売り上げが

500億円にも達していませんでしたが、

2014年3月期は3200億円超の売り上げ

ですので、すんごいですね)

 

 ということで、さらに頑張っていただいて、

是非、他社が、「イカんともし難い」イカ

釣り用LEDを開発して欲しいものです。

(座布団2枚!!)