知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

知財戦略中級編   客観的に考えよう!

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 それでは、前後しますが、出願前の注意を

しなければならないことは何でしょう。

 

 このブログでは、出願前の先行技術文献調査が

重要だということで、特許情報検索の話も詳しく

解説してきましたが、それ以外はどんなことが

あるでしょう。

 

 知財戦略を検討していくために必要なことを考えて

みましょう。

 

 まず、発明をしたら、同じような特許出願がないか、

調査をおこないます。 ここで、同じようなものが見つ

かった場合には、発明の構成が同じなのかどうかを

調べます。

 

 同じだったら、審査官からダメ出しがされますので、

出願は断念せざるを得ません。

 

 しかし、「ちょっと違うんじゃね?」といった場合は

どうでしょう。

 

(実は調べてみて、まったく同じようなものはないで

しょう。 したがって、同じような構成とも考えられるが、

ちょっと違うようねというものがほとんどでしょう)

 

 ここのところが、進歩性というものですが、ここで、

主観的に考えてしまうと、全然違うと思ってしまい

ますので、なるべく客観的に考えましょう。

 

 たとえば、ほかのものを寄せ集めれば簡単に

自分の発明にたどり着くよね、とか、前の発明を

ちょっと置き換えれば自分の発明にたどり着くよね

とかを考える必要があります。

 

 また、自分の発明は、以前の発明よりもどんな

効果を生み出しているんだろうとか考えます。

 

 いろいろ考えても、審査官を説き伏せるのは

難しいのではないかと考えられる場合には、出願を

断念するか、権利範囲を狭めましょう。

 

(どうしても、自分の発明は、欲目にみてしまうので、

このように考え付くことが少ないでしょうが、とにかく

客観的に考えましょう)

 

 もしも、「大丈夫じゃね?」と思ったら、もっと広い

権利を取れないか考えましょう。

 

 権利範囲の狭い、広いというのは次のようなものです。

 

 動物と人間だったら、動物のほうが範囲が広いですよね、

次に人間と日本人といったら、人間のほうが範囲が広い

です。 さらには、日本人と、日本人の男性といったら、

日本人のほうが範囲が広いです。

 

 このうように、発明も、書き方によって、権利範囲が

変わってしまうので、なるべく権利範囲が広い書き方が

必要です。

 

(最初から広い権利範囲だけを書くと、拒絶される

可能性があるので、特許請求の範囲には、いろいろな

範囲を書いておくのが普通です)

 

 ということで、これを説明したのが、下記となります。

 

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