前回は、不思議ちゃんで終わりました。
いうのは、何しろ法律が古くて、その頃法律を
制定した人が生きていないので、よくわかって
いないんです。
それなら、ほかのことはなぜわかっているんだと
いうことになりますが、職務著作については
むかーし昔きちんと書いてくれていなかった
ようです。
(ここのところは推測です。すみません)
後で書きますが、職務発明はなぜこのような
法律体系となっているのかというのは、わかって
います。
しかし、職務著作の理由がはっきりとわかって
いません。
弱りましたね。
ということで、私のほうでいろいろ書かれている
ものから推測してみましょう。
労働者は労働を提供し、給与を得ているんだから
そこで作られた成果物は、使用者のもの、
という考え方。
職務著作制度が昔から何も問題になっていないん
だから、この理由じゃね?というものです。
2 法目的説
著作物の利用の弊害の問題があり、これが一身専属で
統一的に行い著作物の利用を円滑に行う必要が
あるという説。
要は、著作権法の目的を実現するために、このような
制度となっているんだーというものです。
3 保護客体の違い説
爆発なので(・・・うそです。 表現です)、発明の範囲という
ものは広く、著作物の範囲というのは表現それだけ、
すなわち狭いものとなりますので、こんな狭いものは
使用者に帰属させてもいいんじゃね?というものです。
4 成立要件説
職務発明は、過去の職務も含むので広く、職務
著作は、法人の発意によるものでなければならないので、
非常に狭く、法人に帰属させてもOKでは?という
ものです。
まあ、そのほかにもいろいろ言われていますが、
職務著作についてはこの辺でおいておいて、まあ、
産業の発達を目的とする(特許法1条)ことと、文化の
発展に寄与するというこの法目的の違いによるもの
のような気がしますがいかがでしょう。
尚、現在えらーい先生方が、1月2回ほど集まって、
職務発明制度をどうするかという論議がされています。
産業構造審議会知的財産分科会特許制度小委員会 | 経済産業省 特許庁
上記を開いてもらって、上の分科会(7月14日の時点で
7回までの内容が公開されています)のほうがそうです。
特許を受ける権利を誰に帰属させるかというのが
論点ですが、各国での取り扱いについてもこの会議の
中で公開されています。
http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/pdf/newtokkyo_shiryou006/05.pdf
各国で違いますよね。
この改正論議については、広く意見も募っており、
企業側からは、「特許を受ける権利は、使用者(法人)に
帰属させてくれー」という意見だし、労働者側(労働組合)
からは、「現状と同じ従業者に帰属するのは当然だ―」と
いう意見が出されています。
それぞれの立場からすれば、当然って言っちゃ当然の
意見ではないでしょうか。
日本では大正10年に法改正されるまでは、使用者に
帰属するとされていました。
昔は、労働者の権利というのがそれほど強くなかった
のですが、労働者の力が強くなってきたからといわれて
います。
http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/pdf/newtokkyo_shiryou004/02.pdf
上記では、デモクラシーの黎明期にあった当時の
社会的影響が反映されたと書かれています。
したがって、法改正というのもパワーバランスが関係
しているといっても過言ではないでしょう。
文句が出なかったため、そのままになっていると
いうのが本当のような気がします。
今日はこの辺で。