知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

鈴木先生の心拍出量測定器

 この前、新聞に、関西大学の鈴木哲准教授

らが、心臓が血液を送り出す能力を簡単に

計測できる技術を開発した、と出ていました。

 

 どんな器械なんだ?というと、胸側と背中

側に送受信用アンテナを取り付け、胸側

からマイクロ波を発信し、心臓を透過した

波を背中側のアンテナで捉えるそうで、

血液はマイクロ波を吸収するため、心臓の

拡張、収縮を感知でき、通常、心不全患者は

首の血管からカテーテルを挿入し、これに

機器を接続しなければならないと負担を

軽減できるんだそうですね。

 

 これから臨床研究を始め、5年後の

実用化を目指すそうですが、よぼよぼ

王花陣じーさんが、生きているうちに、

実用化してほしいものです。

 

 ということで、この特許出願はまだ公開

されていないようですが、この鈴木せんせ

(すずき「さとし」さんと読むそうです)、

どんな研究をしているかというと、研究

分野は生体医用システムというもので、

・ 生体信号の非接触センシング技術開発

・ 健康・心理状態の推定と予測制御技術

・ Brain Machine Interfaceの安全工学応用

だそうで。

 

 ということで、生体医用システムって、

どんな研究をしてるんだ?ということで、

鈴木先生の特許出願を調べてみましょう。

 

 出願を調べると、以下のようになり、

まだいずれも登録はされていないよう

ですね。

 

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・ 拍検出装置 こちらのほうは、

呼吸拍の検出装置だそうで、送信

信号を生体に向けて発信し、この

戻り信号を受信することにより、

検出できるそうで、アルプス電気

さんとの共願です。

 

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・ 精神負担評価装置、及びプログラム

 これは、車載情報機器を操作することに

起因した精神負担を推定可能とする装置の

提供で、呼吸センサや皮膚コンダクタンス

検出センサなどを使用するそうで、デンソー

さんとの共願です。

 

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・ ストレス評価装置,及びプログラム

 運転中の運転者の車載情報機器を操作

する場合に受けるストレスを評価すること

ができるそうで、アクセルペダルを操作する

足の足関節の背屈動作を司る筋肉などを

計測するそうで、デンソーさんとの共願です。

 

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・ 血圧推定装置、血圧推定システム、および

制御プログラム

 こちらのほうも、心拍出量測定と同じように、

マイクロ波を使用するそうで、被検者に意識

させることなく血圧を測定できるんです。

 

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・ データ解析装置、及びデータ解析プロ

グラム

 対象とされる生体毎に異なり且つ複雑な

構成を有する生体信号について、的確に

対応するウェーブレット変換を実現する

データ解析装置及びプログラムを提供する

んです。

 

 ということで、「生体医用システム」の

研究って、大分わかったような気になり、

勉強させていただきました、です、はい。