知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

J-PlatPatを使い倒そう その19 分類検索の入力方法4

 前回は、完全一致検索などでの

インプット方法は、「テキスト検索と、

分類検索では違いますよー。」という

ところで終わりました。

 

 ということで、今回はテキスト検索

画面と、分類検索画面での、IPCやFI、

Fタームのインプット方法の違いを

調べて行きましょう。

 

 前回、テキスト画面での完全一致

検索は「A01B1/00」などと入れて、

前方一致検索の場合はクエスチョン

マークを使い、「A01B1/00?」

などと入れるのがわかりました。

 

 ということですが、以下の特許情報

プラットフォームマニュアルを見ると、

特許・実用新案分類検索の場合の

検索式の入力はP62の1ページしか

説明がないんです。

 

http://www.inpit.go.jp/j-platpat_info/reference/

 

f:id:oukajinsugawa:20160405150355j:plain

 

 さらに、完全一致や前方一致の入れ方

という文言はなく、「IPCが「H01B1/02」

の文献を検索する場合は、$H01B1/02」、

IPCが「A63F5/00」以下の文献を検索

する場合、A63F5/00」、「詳細は画面上の

「ヘルプ」を見ろよなー」としか書かれて

いなくて、「プラピ(J-PlatPat)さん、

もうー、いけず!」というところなん

ですね。

(ちなみに、関西地方で、意地が悪い

ことを、「いけず」と言うんですね)

 

 しかたがありませんので、ヘルプを

クリックしてみると、特に指定のない場合、

指定された検索キーの下位階層の検索

キーも取得し、検索の対象として検索し

ます、と書かれていますので、これが

前方一致検索のようなものなんですね。

 

 それでは、完全一致検索の場合は

どうかというと、テキスト検索では、

クエスチョンマークを付けなければ

完全一致検索でしたが、分類検索では、

ドル記号の「$」のようなものが必要な

ようなんですね。

 

 たとえば、IPCの場合、「$G11B15/60」

などのように入れろ、と書いてあるんです。

 

 「なんでプラピさんは、テキスト検索と、

分類検索で入れ方が違うの?? ほんと

にもうー、またまたいけずー。」などと

つぶやきながら、もう少し詳しくヘルプを

見てみると、「なんと!!」、「なんと!!」

(日テレ木曜、「ごちになります!」の、

羽鳥さんの口真似で読んでください)、

テキスト検索では、完全一致検索や、

前方一致検索という文言で書かれて

いるのですが、分類検索のほうでは、

「なんと!」、「なんと!」

(しつこいですね)、完全一致検索や、

前方一致検索という文言ではなくって、

「階層検索なし」と、「階層検索あり」

という文言になっているんです。

 

 えーっ?、知ってました??

 

 知らなかったのは私だけ???

 

 ということで、完全一致検索と階層

検索なしって、何が違うんじゃい?と

いうのと、前方一致検索と、階層検索

ありって、何が違うんじゃい?というのを

調べてみましょう。

 

 まずは、IPCやFIは以下のように階層が

点々「・」で示されているんです。

 

 この前使った、 IPCのA01Bの1/00

は以下のようになっています。

(FIも同じシステムですので、IPCで

代表させます)

 

・1/00 (2006.01) 手作業具

・1/02 (2006.01) ・鋤;ショベル

・1/04 (2006.01) ・・歯を有するもの 

・1/06 (2006.01) ・ホー;手持ちカルチベーター

・1/08 (2006.01) ・・一枚刃を有するもの 

・1/10 (2006.01) ・・二枚刃またはそれ以上の刃を有するもの 

・1/12 (2006.01) ・・歯を有する刃を有するもの

・1/14 (2006.01) ・・歯のみを有するもの

・1/16 (2006.01) ・雑草引抜き具  

・1/18 (2006.01) ・・火ばさみ状の道具 

・1/20 (2006.01) ・異った種類の手道具の組み合わせ 

・1/22 (2006.01) ・把手に刃または類似物を取りつけたもの

・1/24 (2006.01) ・牧草または芝生の処理のためのもの

 

 つまりは、点「・」がその上の分類を

さらに細かくわけていますよー、という

意味ですので、1/04は1/02を細かくした

もの、1/02は1/00を細かくしたものとなり、

以下のような階層になるんです。

 

1/00 (2006.01) 手作業具

  1/02 (2006.01) ・鋤;ショベル

    1/04 (2006.01) ・・歯を有するもの 

  1/06 (2006.01) ・ホー;手持ちカルチベーター

    1/08 (2006.01) ・・一枚刃を有するもの 

    1/10 (2006.01) ・・二枚刃またはそれ以上の刃を有するもの 

    1/12 (2006.01) ・・歯を有する刃を有するもの

    1/14 (2006.01) ・・歯のみを有するもの

  1/16 (2006.01) ・雑草引抜き具  

    1/18 (2006.01) ・・火ばさみ状の道具 

  1/20 (2006.01) ・異った種類の手道具の組み合わせ 

  1/22 (2006.01) ・把手に刃または類似物を取りつけたもの

  1/24 (2006.01) ・牧草または芝生の処理のためのもの

 

 つまりは、テキスト検索画面では前方

一致検索(数字やアルファベットが同じ

なら、その後の数字やアルファベットは

関係なしで検索をしてくれる)でしたので、

A01Bの1/06の下の階層1/14までを検索

したい場合、前方一致では1/08などは

検索してくれませんので、A01B1/06?と

入れても、「前方一致検索だから、

1/08なんか検索してやんないもんねー」と

言われてしまい、「しょーがねーなー」

などとつぶやきながら、「A01B1/06:

A01B1/14」などと範囲指定をする必要が

あったんです。

 

 しかーし、分類検索の場合には、何も

入れない「A01B1/06」とだけ打ち込むと、

これが、下の階層も検索してくれる、階層

検索という意味になりますので、A01Bの

1/06から1/14まで検索してくれるんです。

(結果は載せませんが、各自、試してみて

ください)

 

 それではということで、Fタームを見て

みることにして、2B002「化粧合板」の

最初のほうは以下のようになっています。

 

f:id:oukajinsugawa:20160405150810j:plain

 

 つまりは、観点「合板等」のAA00は

AA01やAA02などに分かれているの

ですが、AA01の点々は1個、AA02、

AA03、AA04は点々が2個ですので、

AA02、AA03、AA04は、AA01の下位

の階層なんですね。

 

 したがって、テキスト検索では、

2B002AA01の場合には、完全一致検索

でしたので、2B002AA01しか検索して

くれませんでしたが、分類検索の場合

には、ドルマーク「$」がない場合の

2B002AA01は、階層検索の意味になり

ますので、分類検索では、AA01だけで

なく、AA02、AA03、AA04も検索して

くれるんです。

 

 むずいでしょうー???

 

 ということで、次回も、この入力方法の

むずさを、続けて調べてみよ―ではあー

りませんか。